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サッカー フットサル コラム 2022年6月14日

日本対スペイン、決戦化すれば日本に勝機あり

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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スペイン代表ルイス・エンリケ監督

スペイン代表ルイス・エンリケ監督

先週のコラム後、スペインは連勝してネーションズリーグ4試合を2勝2分で終えた。内容では昨日(12日)のチェコ戦(2−0)が一番良かった。しかも首位ポルトガルが最下位スイスに敗れるサプライズで、グループAの首位が手に入った。後味良く夏休みに入れたわけだ。

この4試合を見ていて、“もしカタールで日本戦が決戦になるのなら日本に勝機あり”という想いを強くした。その理由は両チームの戦力とは無関係のところにある。

ちょっと妄想めくが、以下説明しよう。

日本戦を迎えるまでのスペインの皮算用は、こうである。

第1戦コスタリカまたはニュージーランドに勝利、第2戦ドイツに引き分け。日本との対戦前に持ち点4であれば、日本と引き分けても勝ち上がれるはず……。

“日本戦が決戦化”とはこのシナリオが崩れ、持ち点が3以下、日本相手に必勝が求められる状況だ。コスタリカまたはニュージーランドに勝てないと、この状況が生まれる可能性が高いが、そうなった時の代表を取り巻く空気は想像するだに恐ろしい。

ルイス・エンリケ監督は敵意の渦中あるだろう。

彼の癖の強さについては以前書いた。

メディアとの対立状態は今も続いている。選手選考をめぐって代表監督とメディアの意見が異なるのは当たり前だが、ルイス・エンリケの場合は基本的に“お前らはサッカーを知らない”という立場なので、単なる意見の相違が対立や確執にまで深刻化してしまう。

刺々しい記者会見の連続で、本気で代表の挫折を願っているジャーナリストやファンもいる。もし初戦でつまずけば、ルイス・エンリケが周囲に放っていた敵意が、何倍化されて彼とチームへ降りかかっていることだろう。

周りが全部敵、という状態で第2戦のドイツに勝つのは難しい。となると、日本戦を迎える際の持ち点は2なんてこともあるかもしれない。勝ち上がりに黄信号どころではなく、オレンジ信号である。

このグループで日本が勝ち上がれなくても挫折ではないが、スペインが勝ち上がれなければ間違いなく挫折、それも監督即解任級の大挫折だ。

ルイス・エンリケの言動によってもたらされ利用されてきた「外圧」。そのしっぺ返しを喰う格好で、轟々たる非難の中で迎える日本戦ーーこれがスペインにとって最悪のシナリオである。

日本がやるべきことは明確だ。スペイン戦を決戦化すること。それが実現すれば、実はスペインは勝手に転んでくれるかもしれない。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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