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サッカー フットサル コラム 2022年6月3日

チェルシーの今後を左右するグアルディオラとクロップのデータ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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メイソン・マウント

メイソン・マウント

【1】アブラム・グラント
33試合/66・67%/2・24
【2】ジョゼ・モウリーニョ
211試合/66・35%/2・19
【3】アントニオ・コンテ
76試合/67・11%/2・14
【4】カルロ・アンチェロッティ
76試合/63・16%/2・07
【5】ラファエル・ベニテス
57試合/57・69%/1・96

ロマン・アブラモヴィッチ(前オーナー)体制下20年、チェルシーを率いた監督のランキングであり、1試合の平均勝点を優先した。

1位は意外にもグラントだった。2007年9月、アブラモヴィッチと対立したモウリーニョが退団した後、選手任せだったことが奏功した。プレミアリーグは2位、チャンピオンズリーグも準優勝。まずまずの成績だ。シーズン終了後、無冠に終わったため解雇されたが、クラブ内に波風だけは立てていない。

211試合は歴代最長。チェルシーとアブラモヴィッチ語るうえで、モウリーニョは避けて通れない。

マインドゲームの一環とはいえ、チェルシーに言及したアーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲルを「覗き魔」と揶揄した一件は、あまりにも非常識だった。ジャッジに関する踏み込みすぎたひと言も、つねに物議をかもした。

しかし、セルフプロデュースに長けたモウリーニョの発想に基づく計算されつくした言葉選びが、プレミアリーグの人気急上昇にもひと役買ったといえなくもない。好き嫌いは別にして、超強気なポルトガル人がチェルシーの歴史に華を添えたことは、紛れもない事実である。

さて、トーマス・トゥヘル現監督の57試合という任期は、モウリーニョ、コンテ、アンチェロッティに次ぎ、ベニテスと並んで歴代4位タイだ。アブラモヴィッチのもとで契約満了を迎える監督は非常に少なく、トゥヘルは昨年1月の就任後、1年半足らずでトップ4にランクされている。

このあたりがチェルシーの弱点であり、新オーナーのトッド・ボーリーは腰を据えた強化を図らなければならない。

例えばマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、6シーズン(228試合)で勝率は驚異の74・12%、1試合平均の勝点は2・3508。リヴァプールのユルゲン・クロップ監督も、ゲーゲンプレスに対応できる選手を揃えた18-19シーズン以降の4シーズン(152試合)で勝率72・37%、平均勝点は2・3486。

試合数の差こそあれ、世界の最先端を走る名監督の平均勝点はほぼ一致し、勝率も非常に近い。

このデータをどのように読み解くかが、チェルシーの今後を大きく左右するのではないだろうか。すでに完成品の二強をコピーしても、彼らを超えられない。選手の個性を見誤ると、粗悪な模造品を創るだけだ。

メイソン・マウントやリース・ジェームズ、さらに新シーズンはクリスタルパレスからローンバックするコナー・ギャラガーなど、将来性豊かな若手を揃えているのだから、彼らに適したプランの実行が望まれる。

2022-23シーズン、グアルディオラは7年目、クロップは8年目を迎える。強くするには時間がかかる。チェルシーの新オーナーに就任したボーリーはアブラモヴィッチを反面教師とし、拙速な監督人事だけは慎まなければならない。

◆注:各監督のデータはプレミアリーグ。人選はアブラモヴィッチ体制下のみで指揮した監督に限定。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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