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サッカー フットサル コラム 2022年5月11日

勝点も失点もクラブワースト!ユナイテッドは瓦解している

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ブライトン戦で失点後に立ちすくむマンチェスター・Uの選手たち

最終節のクリスタルパレス戦(アウェー)で勝利を収めたとしても61ポイント。忌まわしきデイヴィッド・モイーズ(現ウェストハム監督)体制が2013-14シーズンに記録した、64ポイントを下まわるクラブワーストである。

現地時間5月7日のブライトン戦に0-4で敗れ、アウェー5連敗。1980年12月のアーセナル戦から翌年3月のサウサンプトン戦にかけて喫した6連敗に次ぐクラブワースト2。また、1シーズンで4点以上の失点は合計5回。総失点は56に至り、ワーストを更新中だ。

「You’re not fit to wear the shirts」

ブライトン戦終了後、多くのサポーターが「テメエらにユナイテッドのユニフォームを着る資格なんかないぞ!」とチャントしたように、だらしないし情けない。『sky sports』で解説を担当していたギャリー・ネヴィルは、古巣の惨状になにも語れなかった。饒舌な彼をもってしても、だ。

マンチェスター・ユナイテッドは、絶望的なまでに瓦解している。闘争本能は微塵の欠片もなく、シュートブロックで背中を向ける。スプリントしない。怒りの導火線に火がついたかのか思えば、判定に対するクレームだった。

また、ラルフ・ラングニック暫定監督は就任から約5か月が過ぎても戦術を落とし込めず、来シーズンからはユナイテッドのコンサルタントとオーストリア代表監督を兼務する。どちらが本業なのだ!? 甘く見られたものだ。

「もう、だれもラングニックのいうことを聞かない」

リヴァプールのOBで、現役当時はユナイテッドと幾多の死闘を繰り広げてきたグラエム・スーネスも呆れている。

しかも、ラングニックはシーズンの大詰めを迎えたいま、「1月に補強をリクエストしたが叶わなかった」と、内情を暴露する始末だ。この男、選手を名指しで批判した前科もある。現場の責任者がネガティブな発言を繰り返すのだから、勝てるはずがない。通常ならなんらかのペナルティが課されてしかるべきだが、ラングニックは責任を問われないという。

オーナーのグレイザー・ファミリーは例によって黙して語らず、ラングニックがユナイテッドの職務に不誠実で、選手たちは無気力。ブライトン戦で0-3になったとき、クリスチャーノ・ロナウドは無力感に疲れたような、なんともせつない笑顔を見せた。

この一戦に敗れたユナイテッドは、チャンピオンズリーグの出場権を確保できなかった。多くの主力が週給を25%カットされ、今後の推移次第ではヨーロッパリーグ行きのチケットも失う。

いや、この際ヨーロッパのコンペティションなど、どうでもいい。

来シーズンはあくまでもイングランド国内重視。腰を落ち着けた強化を始めなければならない。リヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、就任2シーズン目の16-17シーズンから3年かけて大改革を図ったように、中長期的な見地に基づく再建が望まれる。

ドイツ人の情熱家がジョルジニオ・ヴァイナルダム(現パリ・サンジェルマン)やサディオ・マネ、あるいはモハメド・サラー、アンドリュー・ロバートソンを獲得したとき、だれが今日のリヴァプールを予見できただろうか。

ユナイテッドの現有勢力は、リヴァプールやシティに比べるとかなり落ちる。グレイザー・ファミリーは、今夏の補強に400億円前後を投入するともいわれているが、知名度や実績ではなく、中2~3日のペースでシーズン終盤を迎えても、鬼のようなプレスを持続できるタイプが必要だ。

堕ちるところまで堕ちた。ユナイテッドは、開き直るしかない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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