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ところが、ここでVARが介入する。そして、試合は6分近く中断。最終的にはオンフィールド・レビューによってオフサイドの判定でゴールは取り消されてしまった。
藤井の頭に当たったボールはゴールの枠に飛んだが、ゴール前で名古屋の選手の頭に当たっていたのだ。そして、その選手はオフサイドの位置にいた。
しかし、スタンドの観客にとっては、いったい何が起こったのか分からぬままの長い6分間となってしまった(佐藤隆治主審とVARの間のコミュニケーション・システムが機能しなかったことも時間がかかった原因だったが)。
たしかに、映像を見るとオフサイドという判定が正しいことは間違いない。だが、ゴール前で名古屋の選手に当たらなくてもボールはゴールに飛び込んでいたはずだ。あのVARの介入は必要だったのだろうか?
試合後の記者会見で、名古屋の長谷川健太監督は冒頭でこのゴールの取り消しについて意見を述べた。結果が出ていないという状況だったからこそ、判定について不満を表したのだろうが、しかし、文句を言いたくなる監督の気持ちはよく理解できる。
長谷川監督が語ったのは「横浜FMの選手たちも何もアピールしていなかったではないか」という趣旨だった。
“ゴール”が決まった瞬間、たしかに横浜FMの選手たちは誰もオフサイドのアピールをしていなかった。スタンドの観客もほとんどが(横浜FMのサポーターも含めて)ゴールだったと思ったことだろう。
だが、そこでVARが介入し、再三映像をストップして確認を繰り返して「オフサイド」を“発見した”のである。
日本サッカー協会(JFA)のウェブサイトを見ると「VARは、最良の判定を見つけようとするものではなく、『はっきりとした明白な間違い』をなくすためのシステムです」とある。だが、判定を確定するのに6分近くもの時間が必要だったということ自体が、それが「はっきりとした明白な間違い」ではなかったということを示している。
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