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サッカー フットサル コラム 2022年5月4日

日韓両国と東南アジア勢が“三すくみ”となったACL。8月の決勝トーナメントでは日本勢の上位独占を期待したい

後藤健生コラム by 後藤 健生
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4月は、日韓両国ではまだ冬が明けたばかりの時期であり、日本や韓国のクラブの選手たちの体はまだ夏モードに転換しておらず、汗腺も開いていなかった。気温30度を超える高温多湿の気象コンディションの中で戦うのは困難な状況だったのである。

そこで、韓国のクラブは日本相手の試合では“省エネ・サッカー”に徹した。日本と韓国の対戦では、すべての試合で日本側がボール・ポゼッションで60〜70%を記録。シュート数などの数字でも日本側が大きく上回った。

それに対して、韓国のクラブは割り切って戦った。日本のクラブがボールを持っても引いて守ってゴール前を固め、前線の外国籍選手などを目掛けてロングボールを蹴り込んで“個の力”で突破して1点をもぎ取って勝利を目指したのだ。

本来のスタイルを捨ててでも勝敗に徹してきたあたりが韓国らしいところだが、それにしてもアジアのサッカーのリーダーを自認する韓国が日本相手にプライドも捨てて勝負に徹してきたのにはいささか驚かされた。

こういう“省エネ・サッカー”であれば、高温多湿の中で戦うこともできるし、ラフなロングボールを使って攻めるのであれば、荒れたピッチ・コンディションでも大きな支障はない。

それに対して、人とボールも動かすパス・サッカーという本来のやり方にこだわった日本のクラブは、悪条件下でパス精度が落ちて韓国の守備網を崩すことができなかった。

ところが、格下の東南アジア相手の試合では韓国のクラブは自らボールを持って戦わざるを得なくなり、暑さを苦にしない東南アジア勢相手に苦戦を強いられたのだ。一方、自分たちのスタイルを貫いた日本勢は近代的サッカーで東南アジア勢を圧倒してみせた。

結局、8月に再び集中開催の形で行われる予定の決勝トーナメント(ラウンド16〜準決勝)には日本の3クラブが進出した。決定した組合わせを見ると横浜FMと神戸がラウンド16で対戦。浦和は川崎と蔚山を退けてサプライズを起こしたジョホールと戦うこととなった。そして、韓国の全北現代モーターズと大邱FCもラウンド16で直接対決となった。

この結果、準々決勝には韓国勢は1チームしか勝ち上がってこないことが確実となり、日本勢にとっては有利に進められそうだ。

決勝トーナメントの開催地はまだ決まっていないが、たとえ東南アジア開催となったとしても、8月であれば日本の選手も暑さに馴れた状態なので4月大会のように苦しむことはない。しかも、中2日で6連戦というグループステージと違って、8月開催の集中大会は3試合だけで済むのだ。

今シーズンこそ、日本勢の上位独占を期待したいものである。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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