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サッカー フットサル コラム 2022年4月28日

忖度しないテン・ハフは厳しいミッションを仰せつかった

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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テン・ハフ

来シーズンからマンチェスターUで指揮を執るエリク・テン・ハフ

「忖度はしない」

来シーズンからマンチェスター・ユナイテッドの新監督に就任するエリク・テン・ハフ(現アヤックス)のひと言で、英国のメディアがザワつきはじめた。タブロイド紙の『SUN』は、「現有勢力で生き残れるのはダビド・デ・ヘア、ルーク・ショー、ブルーノ・フェルナンデスの3選手だけ」と、大胆に推測している。

テン・ハフが基本戦術に用いるハイプレスは、ハリー・マグワイアとヴィクトル・リンデレフ、フィル・ジョーンズに適していない。エリック・バイリーとラファエル・ヴァランは対応できるが、ともにケガが多すぎる。

スコット・マクトミネイは成長が鈍化している。マーカス・ラシュフォードは肩の負傷がいまだに尾を引いているのか、今シーズンはクラブに迷惑をかけただけだ。

また、昨日のコラムでも報じたようにネマニャ・マティッチは今シーズン限りで退団し、エディンソン・カバーニ、ファン・マタ、ジェシー・リンガード、ポール・ポグバは、6月30日に満了を迎える現行の契約を更新しない。

そしてテン・ハフは忖度しないのだから、クリスチャーノ・ロナウドも退団濃厚と考えていいだろう。2月で37歳になった。節制に努めてはいるものの、ハイプレスに耐えうる肉体は作れそうもない。

したがって、普段は呆れるほどの誤情報を流す『SUN』の指摘も的外れではなく、今夏の市場では人材不足のアンカー、センターバック、センターフォワードを軸とする大幅な補強が図られる公算が大きい。

それにしても、チームの肝となるべきポジションに新たな人材を求めなくてはならないだから、いやはやなんとも悩ましい話だ。しかも、多くのメディアがユナイテッドの課題として、長く長く報じてきた案件である。

その間、リヴァプールとマンチェスター・シティは迅速、かつ着々と強化を進め、ユナイテッドは彼らの背中すら捉えられていない。だからこそ今夏の補強は、“再建元年” として非常に重要だ。

ただ、チャンピオンズリーグの出場権が獲得できなかった場合は、ハリー・ケイン(トッテナム)やデクラン・ライス(ウェストハム)など、ユナイテッドのターゲットとされるタレントが交渉のテーブルにつく可能性は低い。

まして彼らは競合も多いのだから、ターゲットが他クラブと重複した場合は条件の調整に無駄な時間をかけず、第二、第三の補強プランを実行すべきだ。こうした柔軟性と応用力も、ユナイテッドの補強部門は欠いている。

そしてなにより、テン・ハグはユナイテッドを率いる覚悟が本当にできているのか。

「イングランドのメディアはまずユナイテッドに注目する。いい意味でも、悪い意味でもね。そのプレッシャーにテン・ハフは耐えられるのかってことだよ」

オランダ代表とACミランで一世を風靡したルート・グーリットのコメントである。アヤックスとユナイテッドの注目度は比較対象にならない。エールディビジとプレミアリーグのレベルも違う。

いま、ユナイテッドのロッカーはエゴが肥大している。テン・ハフは厳しいミッションを仰せつかった。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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