人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2022年2月25日

ロシアのウクライナ侵攻でCL決勝の開催地が変更に

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
  • Line
ガスプロム アリーナ

ガスプロム アリーナ

もはや一刻の猶予も許されない。ロシアがウクライナ東部で軍事行動に出た。ウラジーミル・プーチン大統領は「民間人に危険を及ぼすレベルの攻撃ではない」としながらも、核兵器の使用もちらつかせている。

「われわれを邪魔する者は、過去に例を見ないほどのダメージを負うだろう」

『UEFA』(ヨーロッパ・サッカー連盟)が、チャンピオンズリーグ決勝の開催地変更を検討するのは当然だ。現状を踏まえると、プーチンの生まれ故郷であるサンクトペテルブルクでは選手、サポーター、報道陣、関係者の安全を保障できない。『GAZPROM』(ロシア国営のエネルギー産業)がUEFAのメインスポンサーのひとつだったとしても、だ。

各所から「スポンサー契約を破棄せよ」とのクレームがUEFAに殺到し、ドイツの名門シャルケはユニフォームからGAZPROMのロゴを削除している。今週末から再開予定だったウクライナリーグは中止になった。

また、マンチェスター・ユナイテッドも『AEROFLOT』(ロシアの航空産業)とのスポンサー契約を解除する予定だ。同社からは年間800万ポンド(約12億4000万円)ものサポートを受けていたが、いま、ロシアの企業から金銭を受け取れるはずがない。

さらに、チェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモヴィッチは、比較的プーチンに近いとされているからなのか、あるいは汚職に関する証拠が発覚したのか、クラブの経営権が剥奪されるのでは、との情報も飛び交い始めている。

こうした流れも影響し、UEFAはCL決勝の開催地を変更する公算が大きい。選手に過酷なスケジュールを強いるばかりで、コンディション面に一切の配慮をしてこなかった組織だけに、今回もカネと安全を秤にかけて後者を蔑ろにするのでは、との懸念も一部にはあった。

しかし、ロシアの行動は断じて許されるべきではなく、普段は腰が重すぎるUEFAも日本時間2月25日に開催される緊急会議で、決勝の代替地を検討すると伝えられている。ロシアにまだ配慮するのなら、『NATO』(北大西洋条約機構)に非加盟のスウェーデン、オーストリアは有力候補か。

「みずから孤立し、主権国家を侵略しようとするロシアに、スポーツのビッグイヴェントを開催する資格はない」(ボリス・ジョンソン英国首相)

「僕らは絶対に手放さない。ウクライナに栄光あれ」

マンチェスター・シティのオレクサンドル・ジンチェンコは、ソーシャルネットワークを通じて愛国心を表現した。

ベンフィカ・リスボンのロマン・ヤレムチュクは、アヤックス戦(チャンピオンズリーグ・ラウンド16第一戦)で同点ゴールを決めた後、ウクライナを支援するシンボルのトライデント(三又の槍)が描かれているTシャツで平和をアピールした。

さらに多くのウクライナ代表歴を持ち、ACミランに所属していた2004年にはバロンドールを受賞したアンドレイ・シェフチェンコも祖国の現状を憂えている。

「誠実で勤勉で、自由を愛する人々の国、それがウクライナだ。いま、困難な時期を迎えているが、団結すれば必ず勝つ」

人類は紀元前から戦を繰り返してきた。いつになったら平穏な世の中が訪れるのだろうか。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ