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サッカー フットサル コラム 2022年2月24日

前半のパフォーマンスにはラングニックも苦言を呈した

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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シュートを放つジョアン・フェリックス

アトレティコ・マドリーとのチャンピオンズリーグ・ラウンド16第一戦に臨んだマンチェスター・ユナイテッドは、試合開始から劣勢を強いられる。

頼みのブルーノ・フェルナンデスが自陣でミスを繰り返し、ポール・ポグバは囲まれた。クリスチャーノ・ロナウドとマーカス・ラシュフォードは例によってボールを受けるための工夫が足らず、ハリー・マグワイアはやっぱり重い。

7分、レナン・ロディの高精度クロスからジョアン・フェリックスにゴールを許した後も、狙いが明確なアトレティコの攻守に為す術がなく、いつ追加点を奪われても不思議ではないピンチが続いた。

前半終了間際、シメ・ヴルサリコのヘッドはヴィクトル・リンデレフの顔面を経由してクロスバーに救われたものの、後半に複数の失点を覚悟しなければならないほど、ユナイテッドの出来は芳しくなかった。

ゴール期待値はアトレティコの1・03に対して0・04。ボールロストは61回を数えている。走行距離でも5kmを超えたのがフレッジ、ジェイドン・サンチョ、B・フェルナンデスの3選手だけだったにもかかわらず、ラルフ・ラングニック暫定監督は後半開始から動かなかった。まだ我慢できるのか。どこかでギアを上げる作戦か。

ただ、基本陣形を4-2-3-1から4-3-3に変更。ポグバとB・フェルナンデスをC・ロナウドの背後に置き、ラシュフォードとサンチョをタッチラインに張らせた。このプランは功を奏し、攻撃にリズムが生まれる。

さらに66分、ラングニックは三枚代えを図った。ヴィクトル・リンデレフ→アーロン・ワン=ビサカ、ルーク・ショー→アレックス・テレス、ポグバ→ネマニャ・マティッチ。

フレッジを一列上げてそのエネルギーをより攻撃に活かし、縦パスを出せるマティッチでポゼッションの質を上げる狙いだったに違いない。75分には不調にあえぐラシュフォードを下げ、アンソニー・エランガを投入した。

80分、フレッジが起点となり、B・フェルナンデスがアトレティコの最終ラインを見極めながら絶妙のスルー。オフサイドをケアしながら反応したアンソニー・エランガの一撃は、強くヒットできなかった(おそらくミスキック)分だけアトレティコGKヤン・オブラクのタイミングを狂わせたのではないだろうか。

力のないボールは、テクニカル・エリアで選手たちを鼓舞しつづけたディエゴ・シメオネ監督をあざ笑うかのように、サイドネットに吸い込まれていった。

ラングニックの采配は見事の一語に尽きる。彼が動いたからこその1-1だ。しかし、ユナイテッドに着任してからまもなく4か月を迎えるというのに、彼が志向する縦の動きは少なく、横と後ろへのパスが相変わらず減らない。アトレティコ戦で61%を記録したポゼッション率も、効果的とはいえなかった。

「ボールキープに不安を抱き、リスクを冒さずに自陣に留まってばかりだった。プレスも弱く、フィジカル的な激しさも欠いていた」

ラングニックも前半のパフォーマンスには苦言を呈している。

ラウンド16は第一戦を終了したにすぎない。第二戦はユナイテッドの本拠オールドトラフォードで3月15日に開催されるが、アトレティコはつねに危険で、厄介な相手だ。1-1で浮かれていると痛い目に遭う。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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