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サッカー フットサル コラム 2022年1月28日

まだフットボールを愛しているのならアリは絶対に立ち直れる

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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デレ・アリ

デレ・アリ

「一度、イングランドを離れるってプランも悪くないんじゃないか。だれも知らない国へ、イングランドほどタブロイド紙がうるさくないクラブで、ゼロから始めてもいいんじゃないかな。まだ25歳だ。やり直すチャンスはある」

チェルシーやオランダ代表で一世を風靡したジミー=フロイド・ハッセルバインクが、デレ・アリの身を案じていた。

2015-16シーズン、マウリシオ・ポチェッティーノ(現パリ・サンジェルマン監督)体制下のトッテナムで、痩身のMFはブレイクした。10ゴール・9アシスト。翌シーズンは18ゴール・7アシスト。卓越したビジョンと柔軟なボールコントロール、ゴール前の嗅覚など、「イングランド・フットボールの未来」とまで高く評価されていた。

しかし、負傷やポチェッティーノの退任などでリズムを失い、ジョゼ・モウリーニョ、ヌーノ・エスピリト・サント、アントニオ・コンテのもとでも復活できていない。彼らは異口同音に「センスの塊」とアリに期待したが、当の本人は沈黙したままだ。

「コンディションが整っているにも関わらず、コンテはアリを構想外にした。もはやトッテナムに留まる理由はない」

現役当時はイングランド代表とリヴァプール、そしてトッテナムでも活躍したジェイミー・レドナップも、移籍を勧めている。

彼の言葉を借りるまでもなく、ベンチにすら入れないのだから、アリはマッチフィットネスを高めるためにも他のクラブを探すべきだ。

キーラン・トリッピアとクリス・ウッドを獲得したニューカッスルが、中盤のエース格としてアリを狙っている。クリスティアン・エリクセンの新天地とされるブレントフォードも素敵な選択肢だ。トッテナムの先輩とともに鮮やかな復活──を待望するファンも少なくないはずだ。バーンリー、エヴァートン、ブライトンが興味津々、との情報も飛び交い始めた。

一説によると、アリはすでに別れの挨拶を済ませているという。世話になった数人のスタッフに、感謝の意を述べたとも伝えられている。

コンテ体制下ではわずか2試合の出場だ。基本陣形が3-4-3であることも踏まえると、二列目中央、あるいは中盤インサイドが適性とされるアリのプライオリティが、劇的に向上する公算は非常に小さい。

アリ本人がなにも発せず、コンテも「特定の選手に関してはノーコメント」と語っているため、進捗状況は不明だ。ただ、このまま残留してもだれも得をしない。ローンだろうが完全移籍だろうが、トッテナムとの決別がアリにとってよりよい選択と考えられる。

「俺は好ましくない環境で育ち、不良になりかけた時期があった。でも、フットボールと出会い、俺は変わったんだ」

4年半ほど前、アリみずから少年時代を語っていた。まだフットボールを愛しているのなら、絶対に立ち直れる。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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