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サッカー フットサル コラム 2022年1月21日

ダメージ軽減のためアブラモヴィッチ氏が強化に取り出す!?

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ロマン・アブラモヴィッチ氏

ロマン・アブラモヴィッチ氏

ウェストハムとマンチェスター・シティに敗れ、エヴァートンやウォルヴァーハンプトン、ブライトンなど、勝ってしかるべき相手からも3ポイントを奪えなかった。直近10試合は3勝5分2敗。チェルシーが苦しんでいる。

「選手たちは明らかに疲れている。対策が必要だ」

トーマス・トゥヘル監督も芳しくないチーム状況を考慮し、現地時間1月23日開催予定のトッテナムに向け、選手たちに二日間の休養を与えている。

賢明な判断だ。新型コロナウィルスの感染再拡大によって、選手たちは心身ともに疲弊している。この状況下では通常のトレーニングメニューをこなすより、家族、友人、ガールフレンドとゆったり過ごして英気を養った方がいい。

「緊張感が維持できなくなる」とか「監督の監視下に置くべき」などなど、トゥヘル監督の決定には疑問も投げかけられているが、平常時の発想をパンデミックのいまに当てはめてはいけない。

疲労を引きずったままピッチに立つと、大けがにつながる。あくまでも選手の健康が第一であり、そのための休養なのだから、最良の選択といって差し支えない。

ただでさえチェルシーは、ベン・チルウェルやリース・ジェームズなど、主力が負傷のために戦線離脱を余儀なくされている。ロメル・ルカクも右足首の捻挫と新型コロナウィルスの感染で、周囲の期待に応えていない。

さらに、他クラブが認められた条件でも、なぜかチェルシーだけは試合の延期要請が却下されている。そして2月にはクラブ・ワールドカップに出場し、チャンピオンズリーグが再開する。休むならいましかない。

さて、少なからぬダメージを軽減するため、オーナーのロマン・アブラモヴィッチ氏が強化に動き出したという。スペイン紙『El Nacional』は、「バルセロナのフランキー・デ・ヨング、ガビ、セルジーニョ・デストがターゲットだ」と伝えていた。

3選手の市場推定価格や違約金を合わせると、総額1億5600万ユーロ(約195億円)。冬の市場では近来稀に見る高額となるが、先述したチェルシーの現状、12億ユーロ(約1560億円)ともいわれるバルセロナの負債総額をふまえると、交渉が成立する確率も決してゼロではないだろう。

ただ、デ・ヨングは人気銘柄で、シティとバイエルン・ミュンヘンも興味津々との噂がある。プレミアリーグのチャンピオンが9000万ユーロ(約117億円)を提示した、という情報も駆けめぐるほどだ。

現地時間1月15日現在、首位シティとの差は12ポイントに広がった。4位ウェストハムは7ポイント差に、5位トッテナムは8ポイント差に迫って来た。しかもアントニオ・コンテ監督が率いるノースロンドンの名門は、消化試合数がチェルシーより4つも少ない。

この、不快な現実を一掃するには、やはり補強が必要だ。バルセロナとの交渉は、首尾よく進むだろうか。なお、チェルシーの補強ポイント(ウイングバック)に合致するS・デストのエージェントを務めるミヒャエル・レシケは、「根も葉もない噂」と『El Nacional』の記事を全否定していた。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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