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サッカー フットサル コラム 2022年1月7日

ラングニック流を歓迎する選手と異を唱える者の間に・・・

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ゴールに歓喜するウォルヴァーハンプトンの選手たち

ゴールに歓喜するウォルヴァーハンプトンの選手たち

前半のゴール期待値はわずか0・16だった。

フットボールに限らず、数値にこだわりすぎると本質を見失う。各クラブが置かれた状況、とくにパンデミックのストレスなども考慮しなければならず、言語化と専門用語の羅列は同列ではない。

それにしても、ウォルヴァーハンプトン戦のマンチェスター・ユナイテッドは酷かった、醜かった。

712日ぶりに先発したフィル・ジョーンズを除き、闘争本能が著しく欠けていた。ボールコントロール、パス、ポジショニングなどのミスも頻繁に見られ、本拠オールド・トラッフォードでブーイングを浴びる始末だ。0-1……。GKダビド・デヘアの攻守がなければ、もう2~3点は失っていたに違いない。

「多くの選手が不平・不満を口にしている」
「少なくとも11人が退団を希望している」
「ラルフ・ラングニック監督のプランが納得できず、アシスタントコーチの質にも疑問を抱いている」

ウォルヴァーハンプトン戦終了後、数多くのネガティブなニュースが飛び交っている。いすれもゴシップ紙の発信だ。信ぴょう性は伴っていない。

しかし、ウォルヴァーハンプトン戦の内容はオーレ・グンナー・スールシャール体制下の末期を思わせるほど悲惨で、ユナイテッドが重症であることを改めて露呈した。選手たちもストレスを感じており、ラングニックはアストン・ヴィラとのFAカップ3回戦が行われる1月10日(現地時間)までに、二日間の休暇を与えるほどだった。

さて、戦略・戦術を落とし込むには時間を要し、わずか一か月程度でラングニック流が浸透するとはだれも思っていない。ただ、早くも新監督の厳しい練習に音を上げる者がいるという。

スールシャールは自由すぎてダメ、ラングニックは厳しすぎるから嫌い?

開いた口が塞がらない。

スールシャールは無為無策だったために解雇され、代わって戦術家のラングニックがやって来た。ユナイテッドはプレッシングの頻度とプレー強度でもトップランクに劣っていたからこそ、ハードワークに重きを置くラングニックを招聘した。小学生でもわかる単純明快な人事ではないか!

「一致団結しているとは思えない」

ルーク・ショーの発言も、ユナイテッドが抱える問題を示唆していた。ラングニック流を歓迎している選手と異を唱える者の間に、溝が生じているようだ。あらゆる組織に派閥は存在するが、それぞれの感情がこじれ始めると小さなトラブルが大問題に姿を変える。

《選手に合わせたゲームプランを実行するか、あくまでもみずからの考え方を貫くか》の二者択一を監督は迫られる。ユナイテッドはエゴの強い選手が少なくない。ほんの少しだけ、ラングニックは歩み寄った方がいいのだろうか。

いや、この際ハードワークできない甘ちゃんは一掃すべきなのか。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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