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試合のフェーズ毎に両チームの戦術や心理状態の変化によってゲーム内容が変わる、非常にエキサイティングな試合だった。
どんな競技にも「試合の流れ」というものはある。だが、フットサルの場合は11人制のサッカーと比べると、そうした試合の流れの変化が非常にはっきりしている。小さなピッチの中で選手と選手の距離感が近い状況で速いパスをやり取りするので、ちょっとしたミスが大きな影響を与えるからなのだろうか。サッカーに比べて、フットサルの方が緻密なゲームだという言い方もできる。
つまり、町田と名古屋の試合はそうした“フットサルらしさ”がはっきりと見えた試合でもあったのである
まさに“拾い物”ではあった。だが、実はこの試合はもともと期待好カードだった。4日前の試合で引き分けていたというのも試合を熱くした原因だっただろうが、さらに町田はこのところ成長著しい20歳前後の若手選手が何人もいたからだ。
フットサルの日本代表は9月のワールドカップでラウンド16に進出したが、その後、ブルーノ・ガルシア監督が退任。後任として、日本フットサル界のレジェンドである木暮賢一郎氏が監督に就任していた。その木暮監督の下で12月中旬にはトレーニングキャンプが実施されたのだが、その日本代表候補として町田から5人の選手が招集されたのだ。ベテランのクレパウジ・ヴィニシウス(34歳)のほか、20歳前後の若手4人が招集されたのだ。
本石猛裕が1999年生まれで、毛利元亮、甲斐稜人、倉科亮佑の3人は2001年生まれという若さである(毛利はすでにフットサル・ワールドカップにも出場している)。いずれも、攻撃的な選手であり、町田は彼らを使って正攻法のフットサルで戦っている。
もっとも、町田から4人の若手が選出されたことは、大きな驚きではなかった。
というのも、昨シーズンから町田ではの若い選手たちの活躍が著しく、僕としても彼らが代表に選ばれる日を心待ちにしていたからだ。
若い彼らの今後の成長に期待したい。
次の“拾い物”はどこに転がっているのだろうか……
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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