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サッカー フットサル コラム 2021年12月3日

狙いのあるプレーと守備戦術の統一でユナイテッド躍動!

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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クリスティアーノ・ロナウド

C・ロナウドのゴール後に喜ぶ選手たち

現地時間12月2日のアーセナル戦で、マンチェスター・ユナイテッドが躍動した。

直近6試合は3分3敗。ノースロンドンの強豪を苦手にしていた。立ち上がりから連続して3本のCKを与え、14分にはフレッジにかかとを踏まれてGKダビド・デヘアが転倒。その隙に先行を許す苦しい展開になった。

しかし、前回のコラムでもお届けしたように、マイケル・キャリックが監督代行として指揮を執るようになってから、ユナイテッドは守備戦術が統一されている。対戦相手のパススピードが緩かったとき、ボールホルダーの体勢が悪かったときは、連動してプレスをかけていく。

人数が余っているにもかかわらず、最終ライン、とくにセンターバックの位置が低い現状は改善の余地ありありだが、ブルーノ・フェルナンデスひとりがプレスをかけていたオーレ・グンナー・スールシャール体制下とは雲泥の差だ。

前半終了間際にB・フェルナンデスが、52分にクリスチャーノ・ロナウドが決めたシュートはともに連動が効いており、70分にPKを誘発したフレッジの動きも、単なる偶然ではない。彼は前半から再三再四、冨安健洋とベン・ホワイトの間に進入しようとしていた。狙いのあるプレー、といって差し支えない。

また、フレッジはB・フェルナンデスのゴールもアシストしている。デヘアのかかとを踏んだり、自陣でボールロストしたり、相変わらず不安定だったとはいえ、ブラジル代表MFのエネルギーは、ラルフ・ラングニック新監督のプランにマッチするのではないだろうか。

その一方で、マーカス・ラシュフォードは精彩を欠いていた。ボールを奪われた後や、パスが少しズレるとプレーをやめてしまう。要するに、攻めから守りへの切り替えが鈍い。

シーズン開幕前に左肩にメスを入れたため、コンディションが万全ではないという。たしかに、マッチフィットネスが不十分に映る。ただ、攻守の切り替えを疎かにするタイプをラングニックは認めない。ラシュフォードが、アントニー・マルシャル化しなければいいのだが……。

おそらく、今後のメンバー編成も攻守の切り替えとプレー強度、運動量、スピードに重きが置かれる公算が大きい。守備面の貢献が疑問視されるC・ロナウド、継続性に欠けるポール・ポグバをどのようにしてプランに組み込むのか、ラングニックの采配はいやがうえにも世界中の関心事だ。

そして、キャリックの貢献も忘れてはならない。スールシャール解任後の混乱を2勝1分で乗り切ったのだ。新体制に向けて最高のセットアップではないか! アーセナル戦を最後に退団した功労者に、フットボール・ディレクターのジョン・マータフも感謝の言葉を贈った。

「マイケルはすぐれたコーチとして人々の記憶に残るだろう。監督交代という難しい時期に、すばらしいリーダーシップを発揮してくれた。心の底から感謝している」

キャリックの尽力により、ユナイテッドの空気感がカラリと変わった。関係者席からアーセナル戦をチェックしたラングニックも、オールド・トラッフォードの期待感に身震いしたに違いない。注目の初采配は、現地時間12月5日のクリスタルパレス戦(ホーム)だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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