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サッカー フットサル コラム 2021年12月1日

ラングニックとライオラの衝突は避けられそうもない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ポール・ポグバ

ポール・ポグバ

冬の移籍は難しい。

夏の移籍は将来の投資と考えられるケースもあるが、冬は即戦力が求められる。

ところが、暖かく、食事のおいしい南ヨーロッパからイングランドにやって来る選手たちは、寒さと曇り空、味気ない食事に戸惑う。

しかもプレミアリーグは、世界一のプレー強度だ。エグいタックルにもんどりうって倒れても、レフェリーはプレーオン。「とんでもない場所に来ちまったな」と嘆いても、後の祭りだ。

さらに、より多くの出場機会を求めて移籍したはずなのに、なぜかベンチにも入れない。エージェントにこぼす→エージェントがメディアに伝える→メディアが脚色する→監督が怒り心頭……。不満分子として扱われた選手を数多く見てきた。

ラルフ・ラングニック監督の着任により、ポール・ポグバの立場が怪しくなってきた。継続的な激しいプレスを好む指揮官は、ポグバをどのように扱うのか。フランス代表での彼は運動量も少なくなく、献身的なプレーも見せているのだから、多くのメディアが疑うほどラングニックのプランに不適格、というわけではないだろう。

ただ、ポグバの背後にいるミーノ・ライオラが問題だ。商魂たくましいエージェントで、交渉の席では挨拶もそこそこに、「いくら出せる?」と切り出してくる。わかりやすいが、人としてどうなのか。ラングニックも頑固な男だけに、ライオラとの衝突は避けられそうもない。

当然、ポグバにも大きな影響を及ぼす。本人の意向なのか、ライオラの作り話か、レアル・マドリーへの移籍、ユベントス復帰が噂されている。バカな! マドリーはキリアン・エムバペ、あるいはアーリン・ハーランの獲得が来年夏の最優先課題だ。この1月、ポグバにかまっている暇はない。ユベントスにポグバの週給29万ポンド(約4350万円)を支払う経済力はない。

とはいえ、ポグバは来夏にフリートランスファーとなるため、ユナイテッドにすれば移籍金が発生する来年1月の移籍市場で換金、が妥当なプランだ。

機を見るに敏のライオラは、ユナイテッドの思惑を察知しているに違いない。顧客が冷遇されるくらいなら、一日でも早く移籍先を探す。フリートランスファーでは懐に1ポンドも、1ユーロも入らない。すでに「いくら出せる?」と、各クラブの強化担当にポグバの獲得を打診していたとしても、決して不思議ではない。

仮にポグバが退団すると、ラングニックはみずからのコネクションを利用して、ドイツから中盤センターを獲得する公算が大きい。有力紙『THE Times』や地元紙『Manchester Evening News』は、ラングニックの古巣ライプツィヒに所属するアマドゥ・ハイダラを挙げていた。

彼はマリ代表として、来年1月9日に開幕するアフリカ選手権に招集されることが間違いないため、現時点で冬の市場で動く可能性は低いのだが……。

ユナイテッドも即戦力のMFは欲しいが、ポグバも移籍はしたいが、アフリカ・チャンピオン選手権によって動きが制限される。

オクミロン株(新型コロナウィルスの変異株)による感染再拡大で、入場者数の制限もふたたび考えられるいま、各クラブとも補強には慎重になる。動きたくても動けない──が、偽らざる心境だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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