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サッカー フットサル コラム 2021年11月12日

いよいよファン・デ・ベーク起用のときがやって来た

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ファン・デ・ベーク

ファン・デ・ベーク

近ごろ、毎回のように不平・不満を書き連ねている。標的はマンチェスター・ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督だ。信念も野心もプランも持たない男がなぜクビにならないのか、皆目見当もつかない。

いや、見当はついているというか、なんとなくではあるけれど、人選に好き嫌いがからんでいることは、数々のニュースで承知している。

どういうわけだか、オーナーのジョエル・グレイザーはスールシャールを気に入っている。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ、リヴァプールのユルゲン・クロップ、チェルシーのトーマス・トゥヘルにフットボールの理解力で劣り、レスターのブレンダン・ロジャーズやブライトンのグラエム・ポッター、さらに付け加えるならウェストハムのデイヴィッド・モイーズをプランニングで下まわっているにもかかわらず、なぜか解任を免れている。

新監督候補として、ジネディーヌ・ジダン、ラルフ・ラングニック、マウリシオ・ポチェッティーノなどの名前がメディアで躍っているが、「少なくとも今シーズンはスールシャール」が、ユナイテッド上層部の考え方だとも伝えられている。嗚呼、グレイザーは人を見る目がまったくない。

監督の力量に大きすぎる疑問符がつくというのに、選手間でアクシデントが続出している。

古傷のハムストリング痛が再発したラファエル・ヴァランは、12月初旬まで欠場する。エディンソン・カバーニはアキレス腱の状態が芳しくなく、ハリー・マグワイアはふくらはぎを痛めた影響なのか、あるいはポテンシャルの限界か、残念すぎるピード不足を露呈した。

そしてポール・ポグバまでが右大腿部を痛め、年内の復帰は難しい。踏んだり蹴ったり、弱り目に祟り目、泣きっ面にハチ……。

しかし、主力が使えないのなら、控えにチャンスを与えるべきだ。いよいよドニー・ファン・デ・ベークの出番である。

「わたしのリストに含まれている」と言いながら、スールシャールはファン・デ・ベークを冷遇してきた。チャンスすら与えない。言行不一致も甚だしい。

ポグバが使えなくなったいま、中盤センターでもいいだろう。時と場合によってはブルーノ・フェルナンデスを休ませ、二列目の中央でも構わない。ファン・デ・ベークを活かすプランはいくらでもあるはずだ。

アヤックスでプレーしている当時から、連携で崩すプレーには定評があった。個の力に依存するユナイテッドには必要不可欠なタイプであり、もっともっと起用されてしかるべきタレントだ。

イングランドのメディアが指摘する「ジェイドン・サンチョを右ウイングバックに」も含め、ユナイテッドは人材のポテンシャルを再考しなくてはならない。

考えられないのなら、考えるつもりすらないのなら、今シーズンは、いや、今シーズンも、なにも得られずに幕を閉じる。グレイザーもスールシャールも、絶望的なまでに鈍感だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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