人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2021年10月29日

ニューカッスルは6~7年をサイクルに強化すべきだ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
  • Line
アラン・サン=マクシマン

アラン・サン=マクシマン

サウジアラビアの『パブリック・インヴェストメント・ファンド』(PIF)は、総資産3000億ポンド(約46兆円)と伝えられている。彼らを軸とするコソシーシアム(共同事業体)に買収されたニューカッスルは、今後の移籍市場で脅威となる可能性は小さくないはずだ。

ただ、チェルシーがロマン・アブラモヴィッチに買い取られたときとは事情が大きく異なる。

ロシア人の実業家がオーナーに就任した2003年、チェルシーはある程度の戦力が整っていた。ジョン・テリー、クロード・マケレレ、マルセル・デサイー、ウィリアム・ギャラス、フランク・ランパード、ジミー・フロイド・ハッセルバインクなど、なかなか豪華なメンバーだ。

そして翌年、ペトル・ツェフ、リカルド・カルバーリョ、パウロ・フェレイラ、アリエン・ロッベン、ディディエ・ドログバが加わり、さらにジョゼ・モウリーニョ監督をFCポルトから引き抜いたのだから、プレミアリーグ優勝は自明の理といって差し支えない。

また、首都ロンドンのきらびやかなムードも、成功の要素のひとつだ。生活環境は地方都市の比ではない。

さて、近ごろのニューカッスルは苦しい布陣で闘いつづけている。トップ10のクラブが興味を示すタレントは、ジャマル・ルイス、アラン・サン=マクシマン、ジョセフ・ウィロックの3人だけだろう。

しかも、ロンドンに比べると生活環境で劣り、ファイナンシャル・フェアプレーという縛りまで存在する。アブラモヴィッチがチェルシーにやってきたとき、カネは無制限に使えた。

したがってニューカッスルが、短期間で劇的に強くなる公算は極めて小さい。莫大な資金力が効果を発揮するまでには時間がかかるため、チェルシー方式は参考にならない。むしろ、マンチェスター・シティを学ぶべきだ。

『アブダビ・ユナイテッド・グループ』が買収した08年からの3年間、シティはサポーターが歓喜し、メディアが飛びつくような補強はできなかった。

しかし、10年にダビド・シルバとヤヤ・トゥレを獲得して前年の5位から3位にジャンプすると、翌年はセルヒオ・アグエロ、ガエル・クリシー、サミ・ナスリなどの補強が奏功し、見事にリーグを制している。

あのシティですら優勝するまでに4年もかかったのだ。ニューカッスルの現状を踏まえると、“とりあえず” は6~7年をひとつのサイクルに設定し、落ち着いて強化に取りくまなくてはならない。

いま、上層部は新監督を物色中だ。パブロ・フォンセカ(前ASローマ監督)最有力との情報が飛び交ってから、1週間以上が経過した。焦る必要はない。戦略・戦術に明るく、コミュニケーション能力にすぐれた指導者を、時間をかけて探し当てればいい。監督も新戦力も、吟味に吟味を重ねるべきだ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ