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アストン・ビラ戦の失点後に立ち尽くすユナイテッドの選手たち
10月16日:レスター(アウェー)
10月20日:アタランタ(ホーム)
10月24日:リヴァプール(ホーム)
10月30日:トッテナム(アウェー)
11月2日:アタランタ(アウェー)
11月6日:マンチェスター・シティ(ホーム)
試練の六番勝負である。強豪と相次いで対戦する厳しすぎる22日間は、マンチェスター・ユナイテッドの今シーズンを左右する、といって差し支えない。
ブレンダン・ロジャーズ、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ、ユルゲン・クロップ、ヌーノ・エスピリト・サント、ジョゼップ・グアルディオラと、相まみえる監督はいずれ劣らぬ戦略家であり、モチベーターだ。
ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャールは、戦略家でもモチベーターでもない。ブルーノ・フェルナンデス、ポール・ポグバ、ルーク・ショーといった主力のコンディションが落ちると、対応策も講じられないままベンチでフリーズしている。もしくは爪を噛んでいる。
また、ラファエル・ヴァランとハリー・マクガイアの両センターバックが、負傷のために戦線を離脱した。レスター戦の出場は不可能で、ふたりとも10月いっぱいは欠場する公算が大きくなりつつある。
したがって、選択肢はエリック・バイリーとヴィクトル・リンデレフしかない。3バックにして、スコット・マクトミネイ、あるいはショーを最終ラインに起用するプランも考えられるが……。
非常事態である。
ユナイテッドのパフォーマンスを踏まえると、6連敗も想定しなくてはならない。GKダビド・デヘアが復調し、ショーもコンスタントに活躍しているが、チーム全体の印象は脆さが先に立つ。からだのぶつけ合いで後れをとったり、一対一で粘りを欠いたり、なぜかダラダラしている。
それでもスールシャールに目立った動きはない。クリスチャーノ・ロナウドが順調にゴールを重ねているとはいえ、懸案とされてきた組織の構築には例によって手をつけず、選手の即興性に委ねているだけだ。依存と信頼を履き違えながら、監督に就任して4年目を迎えようとしている。
「十分な陣容を手に入れたのだから、オーレには3~4年の時間を与えるべきだ」
OBのガリー・ネヴィルはスールシャールに優しかった。3~4年? 甘い甘い、甘すぎる。監督としての資質に差があるとはいえ、グアルディオラは就任2年目でシティを、アントニオ・コンテは1年目にチェルシーを、プレミアリーグ優勝に導いた。
当コラムで何度も指摘してきたが、スールシャールはすでに限界だ。経済的観点で解任が無理であるならば、一刻も早く優れた戦略家をコーチングスタッフに加えなければならない。
ユナイテッドは精彩を欠いている。6連敗は想定内の悲劇だ。五分で乗り切ったとしても、リヴァプールとシティに絶望的な力量差を見せつけられた場合、上層部はどのような判断に至るのだろうか。
来年1月の移籍市場ではなく、週末からの6試合を重要視しなくてはならない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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