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サッカー フットサル コラム 2021年10月5日

なぜ岡崎慎司は苦労しているのか?

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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岡崎慎司

岡崎慎司

今回はラ・リーガでプレーするもう一人の日本人、岡崎慎司について書こう。

岡崎は移籍市場が閉まるギリギリの8月31日に2部のカルタヘナに入った。カルタヘナは1995年に設立された新しいクラブで、地方リーグから這い上がって来て2部生活が今季で5季目、1部の経験はない。2部で残留し続けて戦力と資金力を蓄積すれば上を狙えるかもしれないが、当面の目標は2部残留。ただ、6位まで昇格のチャンスがある番狂わせの多いプレーオフで、もしかすると奇跡の昇格があるかも、という位置付けのクラブだ。

岡崎はこれまで4試合に出場。デビューこそ途中出場だったが、その後は3試合連続で先発しレギュラーの座をつかんでいる。ただ、その間チームは1勝3敗。昨日(10月3日)のラス・パルマス戦も前半だけで3失点するふがいない戦いをし順位を17位まで落してしまった。

岡崎は出場時間203分でシュート4本、得点、アシストともになし。先々週のフエンラブラーダ戦で3本のシュートを放ち、3本目はポストに当てる活躍を見せてくれたので期待していたが、ラス・パルマス戦は前半だけで退いた。ポジションを争うオルトゥーニョが2ゴール、2アシストと結果を出しているので、今週末のイビサ戦はベンチスタートもあるかもしれない。

なぜ岡崎は苦労しているのか?

何よりもチームの機能不全が痛い。カルタヘナは[4-2-3-1]で岡崎は2列目の左サイドなのだが、良いコンディションでボールが届くことがほとんどない。ルイス・ミゲル・カリオン監督が目指すのはポゼッションサッカーだと思うが、ボール出しを狙われて簡単にボールロストしてしまう。DFまではボールが渡ってもそこからダブルボランチやSBへボールが繋げられない。彼らが前を向けないと、岡崎以下、前線の4人のアタッカーが有効な攻撃をできるようなパスは来ない。

理想的には、岡崎が下がってパスを受け、サイドを上がった左SBとコンビをするなどして、最後はゴール前へ侵入してシュートというような、ある程度手数を掛けた形を目指しているのだと思う。崩しつつ中へ入って行くようなコンビが成立しないと、点が取れる岡崎を左サイドへ置く意味がない。だが、現実には、左サイドで苦し紛れのアバウトなロングボールを追い掛けさせられ、うまく収めて突破できてもセンタリング止まり、というプレーに終始している。

相手のプレスにパスがブレるのはクオリティが足りないため。クオリティ不足を自覚して、ある程度ロングボールを前線に入れるカウンターサッカーへ方向転換、システムを[4-4-2]に変えて岡崎を2トップの左に使い、右の天性の点取り屋ルベン・カストロの周りで汗をかかせる、という訳にも今さらいかないのだろう。

カルタヘナと岡崎、1部リーグがインターナショナルマッチウィークでお休みなので、今週末も注目してみたい。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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