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サッカー フットサル コラム 2021年9月24日

ローカルダービーの刺激が選手個々の潜在能力を呼び覚ます

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ノースロンドンダービー

ノースロンドンダービー

【TOTAL】78勝51分60敗
【LEAGUE】67勝47分54敗

ノースロンドン・ダービーはトータルでもリーグ戦でも、アーセナルがトッテナムを上まわっている。しかし、直近3シーズンは2勝2分2敗。両チームのライバル意識が激しく交錯する。

開幕戦で王者マンチェスター・シティを1-0で破り、続くウォルヴァーハンプトン戦、ワトフォード戦も同じスコアで勝利を収めたトッテナムだが、4節のクリスタルパレス戦と5節のチェルシー戦は、ともに0-3の完敗。ライン間に空いた大きなスペースを利用され、評価すべき部分がほとんどなかった。

また、責任感の強いハリー・ケインは劣勢を挽回しようと広範囲に動き、本来あるべき中央部ではなく、サイドに流れ過ぎる傾向にあるようだ。

一方、アーセナルは開幕戦でブレントフォードに屈し、続くチェルシー戦とシティ戦もなす術なく敗れ、ミケル・アルテタ監督の立場が早々に危うくなった。

このピンチを救った男が、冨安健洋である。ボローニャからやって来た日本代表DFは、4節のノリッジ戦でプレミアリーグにデビュー。空中戦の強さとタイミングのいい攻撃参加で右サイドに心地よいテンポをもたらし、チーム全体をも活気づけた。

冨安の活躍もあり、ノリッジから3ポイントを奪ったアーセナルは、5節のバーンリー戦も1-0の勝利を挙げ、ようやくひと息ついたところだ。

したがって、チーム内のムードはアーセナルの方がいい。失いかけた自信が、連勝で蘇ってきた。心が不健康ではピッチに立っても好パフォーマンスにはつながらない。冨安のデビューとともに精神的に高揚したアーセナル。2試合連続3失点のトッテナム。ノースロンドン・ダービーの有利・不利は、改めていうまでもない。

ただし、ローカルダービーは “別腹” だ。ライバル意識が選手個々の潜在能力を刺激するケースが多々ある。ケイン、ソン・フンミン、デレ・アリなどのレヴェルはだれもが知るところだ。

しかもトッテナムは、クリスタルパレスとチェルシーに敗れているため、ロンドンダービーの3連敗だけは避けなくてはならない。ヌーノ・エスピリト・サント監督が解任される確率はゼロに近いとはいえ、メディアとサポーターの風当たりが序盤戦できつくなる。

アーセナルにも同じ……いやいや、トッテナム以上のプレッシャーが降りかかる。週末の一戦でポイントゼロに終わると4敗。チャンピオンズリーグ出場権の奪還が早くも難しくなり、監督就任3シーズン目を迎えたアルテタ監督の周囲が慌ただしくなってくる。

「アントニオ・コンテ(前チェルシー監督)と合意」という説は、彼のエージェントを務めるフェデリコ・パストレーロが「根も葉もない噂」と否定しているが、アルテタのマネジメントに経営側が納得しているわけでもない。

在野にこれといった適任者が見当たらず、夏の市場に総額1億5680万ポンド(約235億2000万円)もの巨額を投入した経済的条件を踏まえると、違約金が発生するアルテタ解任は考えづらい。

しかし、ノースロンドン・ダービーの結果、内容しだいで、経営側がなんらかの新プランを検討しないとも限らない。

雲行きが、怪しくなるのだろうか。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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