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サッカー フットサル コラム 2021年9月22日

ちょっとした環境の変化が彼らをアシストするかもしれない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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チェルシーのロス・バークリー

チェルシーのロス・バークリー(写真左)

移籍したばかりだというのに、冨安健洋は早々とアーセナルの右サイドで異彩を放っている。空中戦の強さ、安定した一対一、左右両足から繰り出す絶妙のフィード、さらに的確な攻撃参加など、すべて申し分ない出来だ。

わたしがマンチェスター・ユナイテッドの強化担当なら、冬の市場で “速攻” 買い取る。移籍金は6000万ポンド(約90億円)。アーセナルがボローニャから獲得した金額の2倍を出す。

さて、即座に定位置を勝ち取った冨安とは対照的に、立場があやふやな選手が何人かいる。

エヴァートンのハメス・ロドリゲスもそのひとりだ。堅守速攻を志向するラファエル・ベニテス新監督のゲームプランに適していないため、多くのメディアに「出場機会が激減する」と指摘されていた。案の定、開幕から5節まで1試合もベンチにすら入っていない。大陸間移動後の隔離処置があったにせよ、だ

「中東のクラブと交渉中」

『BBC』(英国公共放送)と『sky sports』(衛星テレビ局)は、ハメスの退団が近いと報じていた。ベニテスの構想に含まれていないのなら、妥当な選択だ。現代フットボールでは希少価値となった典型的な10番タイプだが、まだまだ生き残る道はある。

ロス・バークリーはチェルシーで居場所がなくなった。得意とする二列目はメイソン・マウント、カイ・ハヴァーツ、クリスティアン・プリシック、トマス・ヴェルナーと豪華なタレントが居並び、彼ら4人のローテーションがトマス・トゥヘル監督の基本プランと考えられる。

昨シーズン、ローン先のアストン・ヴィラで復調の兆しを見せたにもかかわらず、尻すぼみに終わった。フランク・ランパードの後継者として託されたはずの背番号8も、今シーズンはマリオ・コヴァチッチに奪われてしまった。移籍市場が終了したいま、日々のトレーニングとリーグカップでトゥヘルにアピールするしか策はない。

また、チェルシーではルベン・ロフタス=チークも構想外になった。16年のトゥーロン国際大会でMVP。スケールの大きさと繊細なコントロールでスーパースター候補生の呼び声も高かった。しかし、その後は度重なる負傷も影響し、クリスタルパレスやフラムへのローン移籍でお茶を濁している。

彼らのような選手を救済する制度を設けられないものだろうか。構想外になったとはいえ、まだまだ働ける者を移籍市場が再開する来年1月まで放置しておくのは、選手、クラブともにマイナスだ。

アーセナルを率いていた当時のアルセーヌ・ヴェンゲルも、「ローン移籍はシーズンを通して認めてほしい」と訴えていた

リヴァプールGKロリス・カリウスはまだ28歳だ。日本時間9月22日のウェストハム戦(リーグカップ)で2年8か月ぶりの復帰が噂されるフィル・ジョーンズは、ユナイテッドの五番手センターバックにすぎない。アーセナル内の序列こそ下がったものの、エディ・エンケティアは才能豊かなアタッカーだ。

プレミアリーグにとって、いや、フットボールにとって選手は宝である。より多くのチャンスを与えられてしかるべきだ。ちょっとした環境の変化が、彼らをアシストするかもしれないのだから……。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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