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サッカー フットサル コラム 2021年9月3日

火種はつねにくすぶっているが “夏の勝者” はチェルシーだ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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チェルシー

充実の戦力で新シーズンを迎えたチェルシー

【1位】アーセナル:131億8000万£(約198億円)
【2位】マンチェスター・ユナイテッド:103億7000万£(約156億円)
【3位】マンチェスター・シティ:72億7000万£(約109億円)
【4位】ウェストハム:63億3000万£(約95億円)
【5位】レスター:55億£(約83億円)
【6位】トッテナム:54億6000万£(約82億円)
【7位】リーズ:43億£(約65億円)
【8位】ブレントフォード:31億1000万£(約47億円)
※£=ポンド。金額は『sky sports』のレポートに基づき、1£=150円で換算。日本円の1000万円以下は本文、ランキングともに四捨五入

今夏の移籍市場でもプレミアリーグは巨額を注いだ。上記は収支のトップ8であり、マンチェスターの両チームは100億円以上の、アーセナルにいたっては200億円近いマイナスを計上している。

また、全20チーム中15チームがマイナスだ。プラスになったのはワトフォード(約8億円)、ノリッジ(約9億円)、アストン・ヴィラ(約11億円)、ブライトン(約27億円)、そしてサウサンプトン(約38億円)の5チームだけだ。47年ぶりのトップリーグ復帰に湧くブレントフォードも、47億円ほど “足” が出ている。

「コロナ禍ではメガクラブも積極的に補強できない。ただし、プレミアリーグを除いて」

移籍情報に強いヨーロッパの著名ジャーナリストが報じていたように、総計10億4000万£(1560億円)もの大枚が市場に乱れ飛んだ。

さて、“夏の勝者” はチェルシーである。ロメル・ルカクの獲得に9750万£(約146億円)を投じながら、収支はリーグ全体の14位に当たるマイナス310万£(約5億円)。大きなダメージは負わなかった。

タミー・エイブラハム(→ASローマ)、クルト・ズマ(→ウェストハム)、さらにオリヴィエ・ジルーとフィカヨ・トモリをACミランに売却した人事なども含め、9440万ポンド(約142億円)も取り戻している。

入退団の選手すべての週給も合わせて精査すべき、という細かすぎる指摘は一部にあるものの、今夏の市場でチェルシーがうまく立ちまわったことだけは厳然たる事実だ。

そして移籍期限最終日の8月31日、将来性豊かなセンターバックのジュル・クンデ(セビージャ)を取り逃がしたものの、フットボールIQの高いサウール・ニゲスをアトレティコ・マドリーから獲得(買取オプション付きのローン移籍)した動きも見事だった。

チャンピオンズリーグとプレミアリーグに加え、ワールドカップ予選も激化する今シーズンの日程を踏まえると、エンゴロ・カンテ、ジョルジーニョ、マテオ・コヴァチッチにサウールを加えた中盤センターは、質量ともに十分だ。

ベン・チルウェルの調整がやや遅れているとはいえ、選手層ではシティに匹敵する。主力のなかにはワールドカップ予選の関係で隔離される者、来年1月開催予定のアフリカ選手権に出場する選手もいない。

十分な選手層を擁し、コロナ禍の市場も無事に乗り切った。打倒シティの一番手、との評価にもうなずけるものがある。5年ぶりの覇権奪還に向け、準備は完全に整ったといって差し支えない。

ただし……。

オーナーのロマン・アブラモヴィッチは辛抱強くなく、CEOのマリアナ・グラノフスカイアは懇意にしているエージェントの意見にやたらと耳を貸す。トーマス・トゥヘル監督はどちらかといえば好戦的だ。火種は、つねにくすぶっている。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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