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サッカー フットサル コラム 2021年8月24日

先発出場の久保建英、適正はトップ下? 原大智は移籍濃厚か。

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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久保建英

アラベス戦で先発出場した久保建英

先週に触れた日本人対決はならなかった。原大智がベンチにも入らなかったからだ。どうやら移籍となるらしい。

このまま在籍しても同タイプのホセルが絶対的なレギュラーなので出場は難しい。おそらくアラベスの計算は「ホセルが移籍。原がその穴を埋める」だったと思うが、先週セビージャがラファ・ミルを獲ったことでホセルの移籍はなくなった。で、余剰戦力となった原が出て行く、というのは残念だと思うのと同時に、最近よくあることでもある。

選手を獲得し、ろくに試しもしないで放出する、というのが目立つ。外国人選手については昔は覚悟して獲りに行くもので、スター扱いで迎えたものだが、今は外国人枠すら空けないで獲って、結局枠に入り切れないから放出するなんてケースすら当たり前にある。特に若い選手がそういう扱いを受ける。

今は各クラブお金が無く、どこも市場が閉まるギリギリの“バーゲンセール”を狙っている。獲れる時に獲っておいて辻褄は後で合わせる、という風になっているのだ。マラガが岡崎慎司を獲ってから結局、年俸枠に収まらず放出したことを思い出す人もいるだろう。

こういうやり方は選手のためにならない。だが、他の国では知らないが、スペインでは普通のことになろうとしている。選手が商品化され、ぐるぐる市場を流動する。非人間的である。

久保建英のことを書こう。この試合、久保は[4-2-3-1]のトップ下で先発し、[4-2-3-1]の右サイドで交代させられた。

トップ下の方は久保の持ち味が出るようによく計算されていた。ロングボールを入れる時には、アブドン、ダニ・ロドリゲス、ムボウラが最前線に張り、アラベスの最終ラインが上がらないようにし、久保がポジションを下げていた。久保にハイボールを競らせても意味がない。よって、彼は落としたボールの拾い役。ほぼフリーで拾えていた。アラベスの最終ラインは4枚、マジョルカの最前線は3枚。久保にマークを付ける余裕がないからだ。

グラウンダーのボールの場合は最前線に2枚残り、久保にマークは付くのだがガラレタから質の高いパスが足下に入っていた。いずれにせよ久保は前を向け仕事ができていた。センターラインは厚いので、守備に走らされて消耗することもなかった。

一方、右サイドの方はライン際で待っていればほぼフリーだった。相手が退場で10人、点を取りに行かなければならない状況だったからマークが緩かったこともある。ボールを受けてからマーカーが走って来る状態だ。

こちらも前を向けた。が、サイドを駆け上がる必要があったし、後ろの右SBマフェオの守備が危ういので背走しなればならないシーンもあった。要は、以前マジョルカに在籍した時と同じ。体力を攻撃だけに使っているわけにはいかない。特に、後半はきつい。

トップ下の方が久保が生きやすい、と思う。久保がトップ下だとダニ・ロドリゲスが左サイドで持ち味が出せないという問題があるのだが、それはルイス・ガルシア監督解決してもらおう。

今週末はエスパニョール戦。ビセンテ・モレノ監督との再会である。この日の調子だと先発は間違いない。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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