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サッカー フットサル コラム 2021年8月17日

日本人対決の前に。久保建英と原大智の現在地

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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フリーキックでゴールを狙う久保建英

フリーキックでゴールを狙う久保建英

21日(土)アラベス対マジョルカがある。

猛暑のこの時期にはギリギリの17時キックオフ(日本時間深夜24時)で、ラ・リーガも日本人視聴者を待っているようにみえる。当日は30度超えの予想で「真夏の対決」になるだろう。

久保建英のデビューは予想より早かった。

オリンピック疲れがあるので休ませるかと思ったが、期待の表れだろう。現地では久保コールも起きた、と聞く。

30分ほどのプレーで、イエローを誘った突破もあったし、FKも蹴ったし、ボールロストもあったし、中へ絞り過ぎの守備で、サイドから侵入する相手をフリーにするシーンもあった。球際での反応やピンチの察知がやや遅かったので、疲労はやはりあったと思う。だから、以上挙げたようなことはあまり参考にならない。

久保本人よりも彼を取り巻く状況のことを書こう。

マジョルカはベティス戦を[4-1-4-1]でスタートし、久保が入ると[4-4-2]となった。2トップで点を取りに行こう、ということだろう。まずマジョルカはやはりボールが持てない。2部ではポゼッションしていたが、1部レベルでは難しい。よって、久保は守備の時間が長くなることを覚悟しておいた方がいい。

ポジションは左右サイドになりそうだ。左サイドにはラゴ、ダニ・ロドリゲス、右サイドにはやはりダニ、ムボウラというライバルがいる。このうちダニは攻守の運動量でもクオリティでも絶対に外せないので、彼をトップ下やセカンドトップに移して、サイドへ誰かを入れる選択になる。

ラゴにもムボウラにも走り始めると止められないスピードに乗ったドリブルがある。久保は彼らほど長く速くは走れないが、スペースがなければ行き詰る彼らに対して、時間もスペースもないところでの俊敏なアクションがある。意表を突いたトラップでマークを外しリズムチェンジで抜いて、ゴールに繋がる決定的なパスを出せる。

間を作り、周りを生かすことは彼らにはできない。彼らはいわば“馬力はあるが粗い大技の使い手”であり、久保は“テクニックと戦術眼に裏付けされた精密な小技の使い手”である。

どっちがいいか? 状況によるが、一般的には大技と小技の組み合わせがベター。アラベス戦でのルイス・ガルシア監督の選択に注目したい。

原大智の方は出番がなかった。

アラベスのレアル・マドリー戦での[4-2-3-1]は悪いニュースだ。1トップであればホセルという選択に間違いなくなる。彼はあの試合でもMVP級の活躍だった。絶対に外せない。トップ下のマヌ・ガルシアが良かったのも、カジョハ監督を[4-2-3-1]へ傾かせるかもしれない。

原の出番があるとすればやはり2トップだろう。

ホセルの相棒には原、グイデッティ、ルーカス・ペレスの3人の候補がいる。走れるルーカスが最も相性がいいと思うが、監督に信頼されていないようだ。となると原かグイデッティかとなる。

問題は、ともに190cmオーバーの似たタイプに見えるホセルと原が共存できるのか、ということ。原の方が足下へのボールを欲しがるし、必ずしもターゲットマンというわけでもない。だからタイプは違う、とも言えるし、ともに中央、前に置きたいから重なる、とも言える。実際にグラウンド上で組ませてみるしかない。一方、グイデッティは明らかにタイプが違うので、結果が出るかは別にしても、相性の問題はない。

いずれにせよ、原がデビューするとすれば2トップしかない。こちらも監督の選択に注目である。

文:木村浩嗣

                                                

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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