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サッカー フットサル コラム 2021年8月11日

シティとユナイテッドのネクストプランは“回収”だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベルナウド・シウバ

ベルナウド・シウバ

バルセロニスタが泣いている──。

心のどこかでリオネル・メッシの退団は予想していたものの、いざ現実になると動揺を隠せない。メッシ本人も人目もはばからず涙を流し、彼の姿を見た多くの同僚は魂を震わせていた。こんな悲しい記者会見、二度と見たくない。

インテリスタは怒っている──。

逼迫した経済状況を改善するために、何人かの主力が離れることは覚悟していた。しかし、ロメル・ルカクが9750万ポンド(約148億2000万円)でチェルシーに移籍し、ラウタロ・マルティネスも6000万ポンド(約91億2000万円)でトッテナムと合意に至ったという。

昨シーズン、ふたり合わせて41ゴール・17アシスト。総得点の65・2%にからんだ両選手の退団はダメージ甚大だ。240億円近い移籍金の大半は、クラブの赤字を補うために使用される。インテリスタのフラストレーションは爆発寸前だ。

さて、バルセロナとインテル・ミラノが苦しむこの夏、移籍市場を賑わせているのがマンチェスターを本拠とする2チームである。

すでにシティはジャック・グリーリッシュの獲得に1億ポンド(約152億円)を投入している。さらにハリー・ケイン(トッテナム)にも1億3000万ポンド(約197億6000万円)を提示。交渉は市場が終了する8月末日までには絶対にまとまる、といわれている。

また、ユナイテッドもジェイドン・サンチョに7300万ポンド(約110億9600万円)、ラファエル・ヴァランヌにも4000万ポンド(約61億円)を注ぎ込み、懸案事項だった右ウイングとセンターバックの選手層拡大に成功した。

しかし、新戦力の獲得によって余剰戦力が出てくる。

グリーリッシュが加入したシティでは、ベルナウド・シウバの出場機会が減少するだろう。ケインがやって来ると、ガブリエウ・ジェズースはFWの優先順位で上位を維持できない。シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、「両選手の退団を認めた」との噂がもっぱらだ。

ユナイテッドではアントニー・マルシャルの立場が危うくなった。トップではエディンソン・カバーニ、メイソン・グリーンウッドに次ぐ三番手であり、左ウイングでもファーストチョイスからは程遠い。左肩を手術したマーカス・ラシュフォードが欠場する2か月間は、基本的にポール・ポグバで、サンチョは両ウイングをこなせる。

ルカクを失ったインテルがマルシャルに興味津々とも伝えられているが、プレー強度と周囲のプレッシャーがプレミアリーグほど厳しくないセリエAの方がフィットできるかもしれない。CBとして五番手以下のフィル・ジョーンズも、ユナイテッドに留まる意味がない。

ケインを獲得した場合、シティはおよそ350億円を、ユナイテッドも170億円近い巨額を市場に投下した。したがって、ネクストプランは回収だ。移籍を希望する者、構想外になった選手を、換金対象として経営に活かしていく……。

市場の閉幕は8月31日23時。あと3週間ほど残っている。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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