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サッカー フットサル コラム 2021年6月23日

パラティチに対する疑念とケインにそっぽを向かれる恐怖

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ハリー・ケイン

ハリー・ケイン

小恥ずかしい失敗を繰り返しながら、新監督を探し当てるトッテナムの旅はおよそ二か月も続いている。

ユリアン・ナーゲルスマン、ブレンダン・ロジャーズ、エリック・テン・ハーグ、ラルフ・ラングニック、アントニオ・コンテ、パウロ・フォンセカ、ユルゲン・クリンスマン、ジェンナーロ・カットゥーゾなど、何人かの候補が浮かんでは消えていった。コンテとフォンセカに至っては、交渉成立寸前で暗礁に乗り上げている。

現在は、20―21シーズン限りでウォリヴァーハンプトンを退任したヌーノ・エスピリト・サント、17―18シーズンから約2年半、バルセロナを率いたエルネスト・バルベルデを軸に、人選を進めているという。

交渉に当たるのは新任フットボール・マネージング・ディレクターのファビオ・パラティチだ。ユベントスでは11年間にわたりチーフ・フットボール・オフィサーの要職を務め、同クラブの発展に寄与してきた。

ただ、今回はいきなりつまずいた。フォンセカとは合意に至り、彼がイギリスの就労ビザを申請したにもかかわらず、なぜかガットゥーゾに心変わりしたという。フォンセカは怒り、トッテナムとの交渉から降りたと伝えられている。

この報道が事実だとしたら、今後の交渉も順調に進まない。契約寸前の案件を放り出す男に、だれが信頼を寄せるというのだろうか。ユベントスでも同じような手法を用いていたのだろうか。

ビジネスは、正攻法だけでは成功しない。しかし、就労ビザ取得の手続きまで進めていた人間を最後の最後で裏切るとは、まるで悪質なブローカーではないか。サント、あるいはバルベルデにしても、パラティチへの疑念が先に立つ。

さて、スパーズ・サポーターが覚悟する夏がやって来た。

ハリー・ケインを獲得するため、マンチェスター・シティが1億ポンド(約150億円)を提示したという。

カネを取るかケインを慰留するか、パラティチとダニエル・リヴィー会長は難しい選択を迫られる。

トッテナムに対する愛情と忠誠心が厚いとはいえ、ケインがタイトルを熱望していることは当コラムで何度も報じてきた。だが、新監督の人選が一貫性を欠き、しかも三転四転しているため、ケインが不信感を抱いていたとしても不思議ではない。「野心に欠ける」とそっぽを向かれるかもしれない。

ケインの退団は避けられそうになく、リヴィー会長もパラティチもいたずらに交渉を長引かせるより、1億から1億2000万ポンド(約180億円)で手を打ち、この巨額を新戦力の獲得に利用する方が得策とも考えられる。交渉の最終段階で心変わりするような愚策だけは、二度と繰り返してはならない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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