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マンチェスター・シティのチキ・ベギリスタイン(写真右)
いよいよ移籍市場がオープンする──。
コロナ禍とはいえ、レアル・マドリーがパリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペと、マンチェスター・ユナイテッドがドルトムントのジェイドン・サンチョと個人合意に至ったとの情報もある。リヴァプールはイブライマ・コナテ(ライプツィヒ)との交渉が順調に進み、「すでにメディカルチェックを無事に終えた」と、衛星テレビ局『sky sports』が伝えた。
彼らメガクラブが動けば、市場は活性化するだろう。エージェント、ディレクターは腕の見せどころだ。
「フットボールの細部を理解せず、業界で人脈も築いていないスポーツディレクターとやらが、私の意見を聞きもせず、データに頼って選手を獲得する。その選手がフィットできなかった場合、なぜかわれわれ監督が責任を取らされる。おかしな話じゃないか」
トッテナムを率いていた当時、ハリー・レドナップは怒っていた。気持ちは分かる。なぜならスポーツディレクターのダミアン・コモッリが、ほぼほぼ独断で交渉していたからだ。監督と意見をすり合わせていないのだから、うまくいくはずがない。
しかし、近代フットボールにスポーツディレクターは必要不可欠だ。例えばリヴァプールはフランク・エドワーズという “敏腕” が、ユルゲン・クロップ監督と綿密な協議を重ねてターゲットを絞り、次々と補強に成功している。アリソン、ファビーニョ、フィルジル・ファン・ダイク、モハメド・サラー、ディオゴ・ジョタなど、多くの主力はエドワーズの迅速、かつ丁寧な交渉の甲斐あって獲得に至った。
さて、スポーツディレクターとはどのような仕事をするのだろうか。
国内外の選手に関する情報をひとつでも多く収集し、獲得に値するのか、しないのか、リストを作成する。また、クラブの予算に基づいた移籍交渉も、重要な任務のひとつである。
かつて、ユナイテッドのアレックス・ファーガソンやアーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲルは、スポーツディレクター職を兼ねる監督だった。だが、近年のフットボール界はサイクルが早くなり、システムは複雑化する一方だ。ひとりの監督がコントロールできる時代ではない。
だからこそ多くのクラブが、業界に太いパイプを持ち、移籍交渉でアドバンテージを握れる有能なスポーツディレクターを欲している。チェルシーの補強が大きくばらつくのは、あらゆる交渉事をマリアナ・グラノフスカヤCEOが担当しているからだ。彼女は業界で人脈を築けていない。一日も早くトップクラスのスポーツディレクターを雇用すべきだ。
いま、ドルトムントのミヒャエル・ツォルク、マンチェスター・シティのチキ・ベギリスタイン、アトレティコ・マドリーのアンドレア・ベルタ、さらにモンチことラモン・ロドルゲス・ベルデホ(セビージャ)などが、優れたスポーツディレクターとして名を馳せている。
彼らはEURO20の間も忙しく働くに違いない。携帯電話もフル稼働だ。当分の間、オフはない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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