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動向に注目が集まるハリー・ケイン
「今シーズンに集中し、可能な限り全力で闘う」
トッテナムの答である。シーズン終了を間近に控えたいま、彼らは予想されていたが、やはり現実味を帯びてくると恐怖と焦燥感に支配される問題に関し、こう表現するしかなかった。
「今シーズン限りでトッテナムを離れ、タイトルを狙えるプレミアリーグのクラブでチャレンジしたい」
ハリー・ケインが上層部に直訴したという。英国の有力紙『Telegraph』、大手衛星テレビ局『sky sports』など、信頼に足る報道機関がこぞって大々的に扱っていた。
2シーズン前、チャンピオンズリーグ決勝に進出したが、リヴァプールに敗れた。今シーズンはリーグカップのファイナリストになったものの、マンチェスター・シティに屈した。しかも直近3シーズンは3位、4位、6位と下降線をたどり、今シーズンもCL出場権には手が届かなかった。5月18日現在、トッテナムの公式戦334試合に出場し、220得点。“無冠”。間尺に合わない。
また、今年7月で28歳になること、トッテナムの週給が他クラブに比べると低めに設定されていることも、移籍を決意した要因のひとつと考えられる。ちなみにケインの週給は20万ポンド(約3000万円)。マンチェスター・シティのラヒム・スターリングは30万ポンド(約4500万円)。
さて、ケインの移籍金は推定1億5000万ポンド(約225億円)といわれている。コロナ禍で値引きしたとしても、170~180億円は下らない。当然、新天地は限られてくる。
マンチェスター・ユナイテッドはない。新シーズンのセンターフォワードはエディンソン・カバーニとメイソン・グリーンウッドでローテーションし、夏の第一ターゲットはあくまでもジェイドン・サンチョ(ドルトムント)である。
シティは今シーズン限りで退団するセルヒオ・アグエロの後釜が必要だ。しかし、ジョゼップ・グアルディオラ監督はキープ力があり、なおかつ敏捷性豊かなタイプを求めている。ゼロトップも形になっている。彼らの最優先課題は左サイドバックとアンカーのテコ入れだ。
チェルシーも有力候補のひとつに挙げられている。37節現在、57得点。直近5シーズンでは最も低い。最終節のアストンヴィラ戦で1点以下に終わると、ロマン・アブラモビッチが買収した2003年以降では、15-16シーズンの総得点59を下まわるワーストを記録する。
ゴールランキングのトップ10にはだれひとりとして食い込めず、クラブ内の最高値はジョルジーニョの7得点。しかもすべてPK。前線はシャイというか非力だ。是が非でもケインは欲しい。
しかしチェルシーは、CL出場権を逸するかもしれない。今シーズンのプレミアリーグで5位以下に終わり、CL決勝でシティに敗れた場合、ケインが興味を示すだろうか。ひょっとすると、レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が突如として交渉の席を設け、トッテナムのダニエル・レヴィー会長と “狸の化かし合い” を演じるのか。
さぁ、ケインはどこへ行く……。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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