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サッカー フットサル コラム 2021年4月30日

ユナイテッド再建はサー・アレックスの薫陶を受けた者に……

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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アヤックスのCEOのファン・デル・サール

アヤックスのCEOのファン・デル・サール

今年いっぱいでエドワード・ウッドワードが退任し、来年1月からエドウィン・ファン・デル・サールが新CEOに就任する--。現時点では推測にすぎないが、マンチェスター・ユナイテッドには朗報だ。

なにしろウッドワードは、いろいろとやらかしてきた。移籍交渉の進捗状況をメディアに明かしたり、仲介手数料でエージェントに足もとを見られたり、サポーター間の評価は散々だった。

その一方で、高額のスポンサー契約はものの見事に勝ち取ってくる。オーナーのジョエル・グレイザーの覚えもめでたく、今年いっぱいの退任は不可解であり、謎だ。

一説では「ウッドワードがスーパーリーグ構想に反対し、オーナーと袂を分かった」ともいわれている。いやいや、スーパーリーグに40億ユーロ(約5200億円)を出資する予定だった『JPモルガン・チェイス』は、かつてウッドワードが務めていたアメリカの銀行持ち株会社だ。橋渡し役を買って出て、レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長、ユベントスのジャンニ・アニエッリ会長と『JPモルガン・チェイス』をつなげた可能性も否定できない。

ウッドワードのビジネス手腕を踏まえると、グレイザーが簡単に手放すとは思えないのだが……。

さて、ファン・デル・サールは好人物としてつとに知られ、尊敬もされている。2015年からアヤックスのCEOを務め、昨夏にはドニー・ファン・デ・ベークのユナイテッド移籍にも尽力した。現役当時は05-06シーズンのユナイテッド加入後、06ー07シーズンからのプレミアリーグ3連覇、2007-08シーズンのチャンピオンズリーグ制覇にも貢献した伝説のGKである。

ファン・デル・サールがCEOに就任すれば、アヤックスと良好な関係を維持できるに違いない。ユース年代で交流を深め、若手のレベルアップを促す。アヤックス流のトレーニングメソッドをユナイテッドに導入したり、サー・アレックス・ファーガソンがオクスフォード大学でも絶賛されたマネジメント論をアヤックスのコーチに講義したり、おのおのにメリットがある。

また、ファン・デル・サールの人脈はウッドワードが築けなかったものであり、サー・アレックス退任後のユナイテッドに欠けていた強化のピースでもある。

ファン・デル・サール、オーレ・グンナー・スールシャール監督、アシスタントコーチのマイケル・キャリック、マイク・フィーラン、テクニカルディレクターのダレン・フレッチャー……。やはりユナイテッドの再建は、サー・アレックスの薫陶を受けた者を中心に、ということなのだろうか。

稀代の名伯楽は現場に復帰するどころか、介入するつもりもないが、彼の教えはユナイテッドの歴史でもある。スールシャール体制下で今シーズンはプレミアリーグ2位が濃厚となり、ヨーロッパリーグも決勝進出がハッキリ見えた。サー・アレックスと無縁の監督、CEOを招くより、ユナイテッドをよく知る人間に再建を託すという判断に至ったとしても、決して不思議ではない。

「チャンピオンズリーグのベスト4とわれわれの差は、そんなに大きく開いてはいない」

ス―ルシャールも自信ありげに語っていた。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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