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サッカー フットサル コラム 2021年4月28日

レヴィーの交渉術がトッテナムを左右する!?ケインの我慢も限界だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ハリー・ケイン

うなだれるハリー・ケイン(中央)

ジョゼ・モウリーニョの退任は哀れなものだったという。

彼を支持していた選手はハリー・ケインとピエール=エミル・ホイビュアのふたりだけ。トッテナムの大半を敵にまわしていた。みずからを正当化するために選手を批判し、時代後れのゲームプランに固執したのだから、人心が離れたのは当然だ。

さて、問題は後任である。1か月ほど前まで、トッテナムのダニエル・レヴィー会長はユリアン・ナーゲルスマン(現ライプツィヒ監督)に興味を抱き、33歳の青年将校もプレミアリーグに対する色気を隠さなかった--と、イングランドでは報道されていた。

しかし、急転直下というべきか、ドイツでは既定路線だったのか、ナーゲルスマンは来シーズンからバイエルン・ミュンヘンを率いる。しかも5年契約。トッテナムとバイエルンを天秤にかければ、だれもがドイツ王者を選択するに違いない。

また、有力候補のひとりに挙げられていたブレンダン・ロジャーズ(現レスター監督)にも、「まったく興味がない」とけんもほろろに断られた。レスターは昨シーズンに続き、最終順位でトッテナムを上まわる公算が非常に大きく、ロジャーズが完全にコントロールしている。もし彼が動くとすれば、トッテナムをはるかにしのぐ規模のビッグクラブからオファーが届いたときだろう。

ナーゲルスマンとロジャーズの招聘が不可能になったいま、レヴィーはどのようなプランで新監督を選定するのだろうか。モウリーニョも元監督のマウリシオ・ポチェッティーノ(現パリ・サンジェルマン監督)も、最終的には選手と心が乖離してしまった。暫定監督のライアン・メイソンはフレンドリーな性格で、ケインとは親友の間柄だが、プレミアリーグで上位を狙うには経験が足りなすぎる。

では、経験を重視してラファエル・ベニテスに白羽の矢を立てるべきだろうか。彼はプレミアリーグ復帰を熱望している。ただ、柔軟性に欠け、「ドリルに基づいた練習、実戦のみ」との悪評も聞こえてくる。エゴの強い選手との衝突は必至だ。

そしてスペインの有力紙『MARCA』が「すでに接触」と報じたマルセリーノ・ガルシア・トラル(現アスレティック・ビルバオ監督)も、イングランドではその名前が聞こえてこない。

いったい、だれを招聘するのか。レヴィーの交渉術が来シーズン以降のトッテナムを大きく左右する。人選に手間どり、ノープランのオールドファッションとサインした場合、主力の離脱を覚悟しなければならない。

313試合出場・218得点(4月25日現在)。これだけの貢献をしながら、ケインはまだ一度もタイトルを獲ったことがない。アラン・シアラー、ウェイン・ルーニー、ティエリ・アンリなど、プレミアリーグ歴代のゴールゲッターは頭上にトロフィーを掲げている。まだ20歳のフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)は、リーグカップ4回、プレミアリーグ2回、FAカップ1回の優勝経験がある。

ケインの我慢も限界だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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