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サッカー フットサル コラム 2021年4月23日

アーセナルは若手を軸に据えてタイトル奪還をめざすべきだ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ガブリエウ・マガリャンイス

ガブリエウ・マガリャンイス(左)

彼らはプレミアリーグ、いや、イングランド・フットボールの中心に長らく位置していた。チャンピオンズリーグで優勝候補の一角に挙げられたこともしばしばある。トップリーグは13回制した。21年にわたって4位以内を死守し、人々の関心を集める魅力的なクラブだった。

しかし、いまや “蚊帳の外” だ。CLの参加資格を持っていない。プレミアリーグでは、首位マンチェスター・シティに31ポイントもの大差をつけられてしまった。ロンドンのクラブでもチェルシーやトッテナムだけではなく、ウェストハムの後塵まで拝している。CL出場権の獲得、いや、今シーズンはヨーロッパリーグ行きのチケット確保すら難しくなってきた。

アーセナルがもがき苦しんでいる。

32節終了時点で勝点46。昨シーズンに続き、過去10シーズンでは最悪の数字で、3位に入った14-15シーズンに比べると20ポイントも低い。トッテナムを2-1、チェルシーとレスターも3-1で破っているのだから底力はあるはずだが、バーンリーに0-1で屈したり、アストンビラ戦を0-3で落としたり、フラムには1-1で引分けた。パフォーマンスの落差が激しすぎるようだ。

したがって、今シーズン終了後のリセットは避けられず、なおかつコロナ禍の財政事情を踏まえると、契約満了を迎える者、週給が高いわりに働かない選手は、構想外になる公算が大きくなってきた。

ダビド・ルイス、ウィリアン、アレクサンデル・ラカゼットなどが一掃されても不思議ではない状況だ。キャプテンにもかかわらず、複数回の規律違反が発覚したピエール=エメリク・オーバメヤン(マラリアに感染したのは気の毒だった)は、とくに覚悟しておいた方がいい。

そしてなにより、再建を焦らないことだ。

経済力でマンチェスターの両巨頭、チェルシー、リヴァプールに後れを取っている。一朝一夕でリカバリーできる差ではなく、ましてコロナ禍では補強費よりも人件費削減の方が優先順位で上まわる。

前述した3選手のほかにも、ローン移籍中のルーカス・トレイラ、ジョー・ウィロック、マテオ・ゲンドゥージ、エインズリー・メイトランド=ナイルズなどが不要であるならば、経済的負担を取り除くためにも放出しなければならない。

1997―98シーズンから3年間、アーセナルでプレーしたエマヌエル・プチも、「半分くらいは追い出せる。野心のないヤツらばかりだ。各ポジションでリーグベストの選手がひとりもいないんだからな」とご機嫌斜めだ。半分くらいは大げさにしても、この夏こそ世代交代を図るべきだ。

なぜならガブリエウ・マガリャンイス、キーラン・ティアニー、ブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルチネッリ、エミール・スミス・ロウなど、ライバルが嫉妬するほどのスター候補生がずらりと顔を揃えているからだ。

近未来の復活に備えた地固めこそが、アーセナルが取りくむべき今夏のテーマである。ビッグネームの補強は茶番、オーナーのプライドをくすぐるだけの余興ととらえ、若手を軸に据えて2~3年後のタイトル奪還をめざすべきだ。

希望の光は、いつかきっと見えてくる。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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