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サッカー フットサル コラム 2021年4月16日

リヴァプールの残り7戦は極めて重要な意味を持つ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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モハメド・サラー

エースのモハメド・サラー

「マドリードにおける3失点目は実に残念だった」
「アンフィールドでもキックオフから15分の間に1点でも取れていれば、状況は大きく変わっていた」

リヴァプールのユルゲン・クロップ監督が臍を噛んだ。チャンピオンズリーグ準々決勝は、アウェーの第1戦で65分に許した1点のダメージが大きく、ホームの第2戦は攻めきれずにゴールレスドロー。2シーズンぶりの覇権奪還は夢と潰えた。

しかし、いくら悔しくても、すぐに気持ちを切り替えるべきだ。

「われわれはチャンピンズリーグを愛し、どれだけ重要かも認識している。来シーズンも出場しなくてはならない」

クロップ監督が語ったように、至高の大会に立ち続けることがブランド力の向上、維持につながり、コロナ禍でも人を吸い寄せる。世界中のメディアがナンバー1のトーナメントに位置づけ、ワールドカップとも一線を画すほどのハイレベルな闘いが、チャンピオンズリーグだ。この場所に戻るためにも、プレミアリーグの残り7戦は極めて重要な意味を持つ。

32節:リーズ
33節:ニューカッスル
34節:マンチェスター・ユナイテッド
35節:サウサンプトン
36節:ウェストブロム
37節:バーンリー
38節:クリスタルパレス

運動量豊富なリーズは侮れず、プレミアリーグ11戦無敗中のユナイテッドもかなり厄介だが、勝点16~21はプラスできるのではないだろうか。ちなみに本稿執筆時点で勝点52(6位)。したがって最終到達点は、最大で73と考えられる。

次にライバルのポイント(4月11日時点)だ。

【3位】レスター:56
【4位】ウェストハム:55
【5位】チェルシー:54
【7位】トッテナム:49

トッテナムは厳しい。残り全勝でも70ポイントであり、ジョゼ・モウリーニョ監督の不適切発言によって、チームのムードは芳しくない。こうしてチャンピンズリーグ出場権の残り二枠は、レスター、ウェストハム、チェルシー、そしてリヴァプールの争いになることが濃厚だ。

なお、優勝が99%決まっているマンチェスター・シティと、5位チェルシーに7ポイント差をつけるユナイテッドは、すでに当選確実といって差し支えない。

ラスト3試合がユナイテッド、チェルシー、トッテナムというタフな日程とはいえ、レスターは昨シーズンに続いて最終盤まで上位につけている。ハイレベルの証だ。また、ウェストハムの勢いは侮れず、チェルシーはトマス・トゥヘル監督の就任から見違えるように安定した。

しかし、底力ではリヴァプールが一番だ。負傷者の続出さえなければ、いまごろシティと激しいマッチレースを演じていただろう。もちろん、フィルジル・ファン・ダイクをはじめとする主力はまだ帰ってきていないが、それでもチャンピオンズリーグのベスト8に進出してポテンシャルを見せつけている。

残留がかかるニューカッスルとウェストブロムが、火事場のクソ力を発揮するかもしれない。前回の対戦でサウサンプトンにはしてやられている。ラスト7戦は試練の連続であるものの、昨シーズンのプレミアリーグ王者が5~7位で終わるなど、名門のプライドが許さない。

さぁ、その実力のほどを見せてもらおうじゃないか。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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