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サッカー フットサル コラム 2021年3月31日

ユナイテッドが新ディレクターを採用。マータフとは何者だ!?

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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マンチェスター・ユナイテッド

ゴールを祝うマンチェスター・ユナイテッドの選手たち

その昔、各クラブの監督は強化の責任を一身に背負っていた。アーセナルをノースロンドンの一クラブから世界のメジャーに導いたアルセーヌ・ヴェンゲルも、ティエリ・アンリやパトリック・ヴィエラといったダイヤの原石を発掘し、その慧眼を満天下に知らしめている。

しかし、時は流れて分業制。経営・現場・スカウトの3セクションが綿密なミーティングを重ね、コスト、チームバランス、環境適応力や家族構成なども踏まえて人選する。ヴェンゲルが嫌い、トッテナムやウェストハムなどを指揮したハリー・レドナップが「無用の長物」と酷評したディレクターの仕事も、成功を収めるために多くの割合を占めるようになってきた。

このたび、マンチェスター・ユナイテッドはジョン・マータフをフットボール・ディレクターに、ダレン・フレッチャーをテクニカル・ディレクターに採用した。前者はスカウトを、後者は現場のサポートを主に担当するようだが、ディレクター職を軽視していたユナイテッドとしては、画期的な人選といって差し支えない。

とくにフレッチャーは、多くの若手が信頼するマイケル・キャリック(アシスタントコーチ)と親しい関係にあるため、現場にとっては大きなプラスと考えられる。サー・アレックス・ファーガソン元監督が「史上最強」と称する2007-08シーズンの中盤では、キャリックとフレッチャーが絶妙の連携を見せていた。

さて、マータフとは何者だ!? 『MANCHESTER EVENING NEWS』をはじめとするイングランドのメディアに基づくと、プレミアリーグやエヴァートンでも管理部門の責任者として成功し、13年にユナイテッドに所属した後も、陰でクラブを支えてきたという。

ハリー・マガイア、アーロン・ワン=ビサカ、ダニエル・ジェームズ、ブルーノ・フェルナンデスなど、19-20シーズン以降の移籍はうまくいっている。マーカス・ラシュフォードやメイソン・グリーンウッド、スコット・マクトミネイなど、下部組織出身の若手をトップチームに送り込んだのも、マータフの業績だそうだ。

そして今夏からエドワード・ウッドワード全権副会長に代わり、監督や選手の評価、契約の見直し、移籍に関する他クラブとの交渉など、強化のすべてを取り仕切ることになった。

サー・アレックス退任以降、ユナイテッドは紆余曲折と暗中模索を経て、ようやく上昇曲線を描きつつある。しかし、マンチェスター・シティの牙城を脅かすには、まだまだ駒が足りない。ワン=ビサカの刺激となるライトバック、マガイアの相棒、ドリブルで崩せるウイングは、コロナ禍の移籍市場でも獲得したいところだ。

マータフがフットボール・ディレクターとしてどれほどの力を持っているのか。1億ポンド(約150億円)を超える巨額を投じなくても即戦力を獲得できるのか。まもなく、試練の夏がやって来る。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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