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サッカー フットサル コラム 2021年3月26日

コストがかかるビッグネームの補強は時流に逆らう愚策だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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エムバペ

キリアン・エムバペ

コパ・アメリカが6月11日、その翌日にヨーロッパ選手権が開幕し、プレミアリーグの21-22シーズンは8月14日にスタートする予定だ。コロナ禍は続くものの、フットボールは動いていく。

未曾有のパンデミックにより、今夏の移籍市場も解読が難しい。メガクラブでさえ大幅な収益低下を余儀なくされているのだから、補強費は抑制せざるをえない。2020年夏と今冬の市場も、総額で50%ほどトーンダウンした。

したがって、今シーズン限りで所属クラブとの契約が切れるジャンルイジ・ドンナルンマ(ACミラン)、メンフィス・デバイ(リヨン)、ユリアン・ドラクスラー(パリ・サンジェルマン)など、働き盛りの選手には多くのオファーが届くだろう。

バイエルン・ミュンヘンはダビド・アラバとの契約を更新せず、リヴァプールのジョルジニオ・ワイナルドゥムもフリートランスファーとなる公算が非常に大きい。一部ではバルセロナとの合意説まで流れはじめている。

さて、入場料収益がまだまだ期待できないのだから、各クラブは知恵を出さなくてはならない。

コストがかかりすぎる即戦力の、要するにビッグネームの補強は時流に逆らう愚策だ。会長、強化担当、監督がミーティングを重ね、トップランクとはいえないリーグで燻る逸材に目を向けるべきだ。その傘下に世界中のクラブを保有するマンチェスター・シティは、すでにアドバンテージを握ったといって差し支えない。

とはいえ、補強を怠ったクラブの大半が、前シーズンを下まわって着地する。強化すべきポイントと経済のバランスを整えながら、戦力の拡充を図る可能性は決して小さくない。

パリSGのキリアン・エムバペ、ドルトムントのアーリング・ハーランがメガクラブ垂涎の的だったとしても、パンデミックのなかでは1億ユーロ(約129億円)前後の移籍金を用意することは難しい。リオネル・メッシのフリートランスファーは魅力だが、年齢(今年6月で34歳)高額の年収を踏まえると手を出しづらい。17年11月にバルセロナと交わした契約は1億3800万ユーロ(約178億円)だったと、スペインの日刊紙『ムンド・デポルティーボ』が報じていた。

だからこそ市場の分析を得意とするヨーロッパのメディアは、移籍金5000万ユーロ(約64億5000万円)前後の選手に注目する。アストンヴィラのジャック・グリーリッシュ、ボルシアMGのフロリアン・ノイハウス、ミランのアンドレ・シウバなどは本人もステップアップを希望しているため、なんらかの動きがあっても不思議ではない。

今冬の市場は静かだった。活性化するまで何年かかるのだろうか。各クラブの経済は疲弊している。選手を売って資金を確保したくても、買い取り先が見つからない。グリーリッシュをはじめとする有望株を獲得できたとしても、移籍金は3~4年の分割払いになるともいわれている。

フットボールは動いているが、ずっとずっと息苦しいままだ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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