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チェルシー戦で得点を許すシェフィールドU
立ち位置の違いによって、物事の受け取り方は大きく異なる。
「順位表を気にする段階ではまだない」
今シーズンもマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ、リヴァプールのユルゲン・クロップ、マンチェスター・ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール各監督が、何回か口にしていた。トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督も、「順位表を気にするのは3月下旬から」と語っている。
だが、“デンジャーゾーン” にどっぷり浸かったシェフィールド・ユナイテッド、ウェストブロム、フラム、そしてニューカッスルとバーンリーは、各節ごとに順位表が気になって仕方がない。
ユナイテッドから3ポイントを奪い、シティも苦しめたシェフィールドUだが、昨シーズンのような組織力はすっかり失われた。膝を痛めたジャック・オコネルの長期にわたる戦線離脱(復帰の時期は未定)はダメージが大きく、V字回復が見込めるような新戦力も、この冬には獲得できなかった。
ウェストブロムも惨憺たるものだ。2020年12月にスラベン・ビリッチを解雇し、サム・アラダイスを新監督に迎えたものの、効果はない。まったくない。
失点は、早くもリーグワーストの54に達した。現時点の最少失点はシティの14で、ウェストブロムは40点も多い。40点!? アラダイス就任後の10試合も1勝2分7敗。29失点。データを重視するなら、二度目の監督交代も十分に考えられる。
また、フラムは開幕直後の緩すぎる守備が改善され、決してあきらめない姿勢は評価するが、ルベン・ロフタス=チーク、アダモラ・ルックマンといったタレントも活かすゲームプランは、依然として実行できていない。
14日に相まみえるエヴァートンはともかく、その後はバーンリー、シェフィールドU、クリスタルパレスと、3ポイントを奪える可能性がある相手だ。フラムにとって、2月は残留のターニングポイントになるかもしれない。
さらに、バーンズリーは守備陣が左右に揺さぶられると脆く、ジョシュ・ブラウンヒルがリーグ最多となる50回のインタセプトで奮闘しているとはいえ、ひとりの力で残留に導けるほど、プレミアリーグは甘くない。
そしてニューカッスルは、マイボールになったときのリアクションが非常に鈍い。しかも、9ゴールを挙げていたカラム・ウィルソンがハムストリングを痛め、6~8週間の戦線離脱を余儀なくされた。嗚呼、あまりにも痛すぎる。
06-07シーズンにウェストハムが、13-14シーズンにはレスターが “奇跡の生還” でサポーターを喜ばせているが、今シーズンもドラマが待っているのだろうか。
2月7日時点でシェフィールドUは11ポイント、ウェストブロムは12ポイント、フラムが15ポイント。通常、プレミアリーグの残留は40ポイントが目安といわれている。降格圏に浸かる3チームが、残り15~16試合で30ポイント近く稼げるとは考えにくい。もちろん、バーンズリーとニューカッスルも、安全圏に逃げおおせたわけではない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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