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サッカー フットサル コラム 2021年1月20日

いつの間にか3位浮上!やはりシティには底力がある

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ジョン・ストーンズ

ジョン・ストーンズ

マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールが濃密なゴールレスドローを演じてからおよそ三時間後、マンチェスター・シティがクリスタルパレスを4-0で撃破。現地時間19日の段階で、首位レスターに2ポイント差の3位に浮上した。

セルヒオ・アグエロとエメリック・ラポルトはケガに苦しんでいる。エデルソン、カイル・ウォーカー、ガブリエル・ジェズスなどは新型コロナウィルスの陽性反応を示した。今シーズン、ベストメンバーで挑んだ試合はひとつもない。

開幕直後は低調で、2節のレスター戦はカウンターに脆さを露呈。2-5の惨敗を喫している。続くリーズ戦は1-1の引分けに終わったものの、試合内容で圧倒された。さらにウェストハム戦も勝点1に終わり、トッテナムには0-2で屈した。

ジョゼップ・グアルディオラ監督着任以降、圧倒的な攻撃力で対戦相手をなぎ倒してきたシティらしからぬ雑なプレーも散見し、「今シーズンは期待できそうもない」という悲観的な見方が大勢を占めつつあった。アグエロのコンディションが整わず、ダビド・シルバ移籍(レアル・ソシエダへ)のダメージも大きかったため、優勝争いに加わるのは難しいと考えられていた。

しかし、前述したトッテナム戦の後は、7勝2分無敗である。バーンリーから5点、チェルシーから3点、クリスタリパレスから4点も取っているように、自慢の攻撃力が蘇ってきた。ゼロトップに近い形が徐々に浸透し、アグエロ不在をカバーしつつある。

また、ボールを保持した際は左サイドバックのカンセロがビルドアップに加わり、良質、かつ意外性のあるパスで攻撃を活性化している。肝心要の守りには疑問符がつくが、グアルディオラ監督が出した答は──。

「カンセロの強みを最大限に生かす」だった。

守備陣も安定してきた。1月18日現在の13失点はリーグ最少で、ユナイテッドより11点、リヴァプールより8点も少ない。GKエデルソンはリーグ最多となる9回のクリーンシートを記録している。ウォーカーのフィジカルは、30歳という年齢が信じられないほど凄まじい。この男、本当に新型コロナウィルスに感染したのか!?

さらに、ジョン・ストーンズが長い間の不振からようやく脱出したことも大きい。クリスタルパレス戦でも2ゴールを挙げ、グアルディオラ監督を喜ばせた。

その才能に疑いの余地はないのだから、ストーンズが本来のパフォーマンスを取り戻せば、DFラインはより安定する。移籍早々、プレミアリーグのプレー強度に難なくフィットしたルベン・ディアス、ハムストリングの負傷からまもなく復帰するラポルトとともに、3バックを構成することも可能だ。

万全の状態にはほど遠くても、シティは優勝戦線に戻ってきた。やはり底力がある。ユナイテッドやリヴァプールとともに、最終盤までプレミアリーグの主役を演じるのではないだろうか。そして今年の夏、2億ポンド(約280億円)もの大型補強を画策しているという。

〈以下、次回に続く〉

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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