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サッカー フットサル コラム 2020年12月2日

選手を守るために《全集中の呼吸》でよりよい環境作りを

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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アーセナル戦で頭蓋骨骨折の重傷を負ったラウル・ヒメネス(写真右)

アーセナル戦で頭蓋骨骨折の重傷を負ったラウル・ヒメネス(写真右)

リヴァプールのフィルジル・ファンダイクとジョー・ゴメスは今シーズン中の復帰が難しい状況で、ハムストリングを痛めたジェイムズ・ミルナーも戦線離脱を余儀なくされた。エヴァートンに所属するルカ・ディニュの復帰は早くても来年2月上旬。アーセナル戦で頭蓋骨骨折の重傷を負ったラウル・ヒメネス(ウォルヴァーハンプトン)は入院、治療に専念する。

12月1日現在、プレミアリーグの負傷者は94名を数えた。

コロナ禍を踏まえれば、この先も選手が隔離されたり、過密日程による心身のストレスがコンディション不良を招いたり、各チームの戦力は削がれていく。選手層の厚い、薄いにかかわらず、だ。

しかし、なにもなかったかのようにスケジュールが消化されている。リヴァプールは11月25日午後8時キックオフのアタランタ戦(チャンピオンズリーグ)から中二日の土曜日に、プレミアリーグのブライトン戦を迎えた。しかもランチタイム・キックオフだ。なぜナイトゲームにできなかったのか。

テレビ局の都合だろう。プレミアリーグの各チームは莫大な放映権料を手にしているため、テレビ局に従わざるをえない。理解はできる。しかし話し合い次第で、ランチタイム・キックオフだとしても日曜日に変更できた……いや、選手の健康を第一に考え、変更すべきだった。

マンチェスター・シティとチェルシー、リヴァプールはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出した。マンチェスター・ユナイテッドもグループステージを突破する公算が大きい。ヨーロッパリーグに出場しているトッテナム、アーセナル、レスター、ウルヴズもベスト32に駒を進めるだろう。

彼らには少なくとも中三日の試合間隔とランチタイム・キックオフ免除の特例を、コロナ禍に限ってでも設けるべきではないだろうか。もしくは選手交代を3人から5人に戻す、4人で手を打つなど、選手を守る条項を設定しなくてはならない。

シェフィールドのビリー・ワイルダー監督はこう言った。

「5人交代制はあまりにも利己的すぎる。ビッグクラブは傲慢だ」

5人制を主張するユナイテッドとシティ、リヴァプールなどを声高に批判しているが、プレミアリーグだけが3人制だと分かっているのだろうか。

12月から来年1月初旬にかけ、プレミアリーグは例年のように過密日程を強いられる。例えばユナイテッドはチャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマン、ライプツィヒと相まみえ、プレミアリーグの対戦相手はシティ、リーズ、エヴァートン、レスター、ウルヴズなど、32日間で9試合を消化する予定だ。ヨーロッパのコンペティションに出場資格を持たず、選手層の薄いシェフィールドも、27日間で7試合が組まれている。

くどいようだが、いまこそ選手の健康を最優先するべきだ。それぞれが歩み寄り、“全集中の呼吸” でよりよい環境を作らなくてはならない。このままでは、負傷者が増えるばかりだ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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