人気ランキング
コラム一覧
アーセナル戦で頭蓋骨骨折の重傷を負ったラウル・ヒメネス(写真右)
リヴァプールのフィルジル・ファンダイクとジョー・ゴメスは今シーズン中の復帰が難しい状況で、ハムストリングを痛めたジェイムズ・ミルナーも戦線離脱を余儀なくされた。エヴァートンに所属するルカ・ディニュの復帰は早くても来年2月上旬。アーセナル戦で頭蓋骨骨折の重傷を負ったラウル・ヒメネス(ウォルヴァーハンプトン)は入院、治療に専念する。
12月1日現在、プレミアリーグの負傷者は94名を数えた。
コロナ禍を踏まえれば、この先も選手が隔離されたり、過密日程による心身のストレスがコンディション不良を招いたり、各チームの戦力は削がれていく。選手層の厚い、薄いにかかわらず、だ。
しかし、なにもなかったかのようにスケジュールが消化されている。リヴァプールは11月25日午後8時キックオフのアタランタ戦(チャンピオンズリーグ)から中二日の土曜日に、プレミアリーグのブライトン戦を迎えた。しかもランチタイム・キックオフだ。なぜナイトゲームにできなかったのか。
テレビ局の都合だろう。プレミアリーグの各チームは莫大な放映権料を手にしているため、テレビ局に従わざるをえない。理解はできる。しかし話し合い次第で、ランチタイム・キックオフだとしても日曜日に変更できた……いや、選手の健康を第一に考え、変更すべきだった。
マンチェスター・シティとチェルシー、リヴァプールはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出した。マンチェスター・ユナイテッドもグループステージを突破する公算が大きい。ヨーロッパリーグに出場しているトッテナム、アーセナル、レスター、ウルヴズもベスト32に駒を進めるだろう。
彼らには少なくとも中三日の試合間隔とランチタイム・キックオフ免除の特例を、コロナ禍に限ってでも設けるべきではないだろうか。もしくは選手交代を3人から5人に戻す、4人で手を打つなど、選手を守る条項を設定しなくてはならない。
シェフィールドのビリー・ワイルダー監督はこう言った。
「5人交代制はあまりにも利己的すぎる。ビッグクラブは傲慢だ」
5人制を主張するユナイテッドとシティ、リヴァプールなどを声高に批判しているが、プレミアリーグだけが3人制だと分かっているのだろうか。
12月から来年1月初旬にかけ、プレミアリーグは例年のように過密日程を強いられる。例えばユナイテッドはチャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマン、ライプツィヒと相まみえ、プレミアリーグの対戦相手はシティ、リーズ、エヴァートン、レスター、ウルヴズなど、32日間で9試合を消化する予定だ。ヨーロッパのコンペティションに出場資格を持たず、選手層の薄いシェフィールドも、27日間で7試合が組まれている。
くどいようだが、いまこそ選手の健康を最優先するべきだ。それぞれが歩み寄り、“全集中の呼吸” でよりよい環境を作らなくてはならない。このままでは、負傷者が増えるばかりだ。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【先行】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-2 FC東京U-18 vs. 鹿島アントラーズユース
11月30日 午前10:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝-1 オーストリア vs. 日本
11月21日 午後9:15〜
-
日本トリムPresents 第17回全国女子選抜フットサル大会 ~トリムカップ2025~ 決勝
11月30日 午後2:00〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 ラウンド16 北朝鮮 vs. 日本
11月18日 深夜12:00〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-1 流通経済大学付属柏高校 vs. 柏レイソルU-18
11月29日 午後1:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 決勝 ポルトガル vs. オーストリア
11月27日 深夜12:45〜
-
サッカーニュース Foot! 超高校サッカー通信 Presents 高円宮杯U-18プレミアリーグ 土屋雅史の深掘りレポート2025 #19
11月27日 午後9:30〜
-
【限定】ロングハイライト・高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第20節-3 神村学園高等部 vs. サガン鳥栖U-18
12月2日 午後8:00〜
J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!
