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サッカー フットサル コラム 2020年11月13日

非常時の選手交代は柔軟性をもって対処すべき重要な案件だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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トレント・アレクサンダー・アーノルド

ピッチで治療を受けるアーノルド

筋肉系のトラブルが続出している。

プレミアリーグ開幕から五週間の段階で、筋肉の違和感が78件にも及んでいるという。16-17シーズンの47件、翌シーズンの34件、一昨シーズンの55件、昨シーズンの62件を大幅に上まわっている。

通常は約2か月半のプレシーズンで徐々にコンディションを仕上げていくが、新型コロナウイルスの蔓延によって昨シーズンは3月から約3か月の中断。その影響が今シーズンにも尾を引き、わずか50日間ほどのプレシーズンで開幕を迎えた。選手たちのからだが悲鳴をあげるのも無理はない。

だからこそリヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、昨シーズン後半戦のような選手交代5人制を強く訴えるのだろう。

ラ・リーガもセリエAもブンデスリーガも、基本的には世界中が5人制だ。しかし、プレミアリーグだけが3人制に戻している。

かつてブラックバーン・ローバーズ、チェルシーなどで活躍したクリス・サトンは、「もともと3人制だった。フットボール本来の姿であり、クロップとグアルディオラはクレーマーにすぎない。泣き言を言うな」と反論した。

アンドレス・タウンゼン(クリスタルパレス)の発言も感情的に聞こえる。

「われわれのような規模のチームを叩きのめしたいだけだろう。5人制になれば選手層の分厚いチームが有利だからな。リヴァプールとシティは自分勝手なんだよ」

また、アストンヴィラのディーン・スミス監督も穏やかな口調だったが、「ヨーロッパのコンペティションに出場しているチームには同情する。休む暇がないからね。でも、プレミアリーグ内の競争力を維持するためには5人制よりも3人制」と語っていた。

しかし、コロナ禍という非常事態はまだまだ続く。そんな世相を踏まえたうえで、再検討できないだろうか。タウンゼンが所属するクリスタルパレスも、現時点でタイリック・ミッチェル、ジョエル・ウォード、ジェイムズ・トムキンズ、コナー・ウィッカム、ウェイン・ヘネシー、ネイサン・ファーガソンが負傷に倒れている。サトンが現役だった当時は、現代ほどスケジュールがきつくない。

また、交代人数を増やせば、各クラブの若手にも試合出場のチャンスがめぐってくる。5人が多すぎるというのなら、4人でも構わない。プレミアリーグは5人、国内のカップ戦は3人という特別ルールもいいだろう。賛成派と反対派が歩み寄りさえすれば、解決できるのではないだろうか。

くどいようだが非常事態だ。選手の健康を守るためにも、1試合の交代人数は増やしたほうがいい。伝統とか本来の在り方に固執していると、負傷者続出のリスクが高まる。

3人から4人、5人へ……。交代枠の増員は、柔軟性をもって対処すべき重要な案件である。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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