人気ランキング
コラム一覧
ピッチで治療を受けるアーノルド
筋肉系のトラブルが続出している。
プレミアリーグ開幕から五週間の段階で、筋肉の違和感が78件にも及んでいるという。16-17シーズンの47件、翌シーズンの34件、一昨シーズンの55件、昨シーズンの62件を大幅に上まわっている。
通常は約2か月半のプレシーズンで徐々にコンディションを仕上げていくが、新型コロナウイルスの蔓延によって昨シーズンは3月から約3か月の中断。その影響が今シーズンにも尾を引き、わずか50日間ほどのプレシーズンで開幕を迎えた。選手たちのからだが悲鳴をあげるのも無理はない。
だからこそリヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、昨シーズン後半戦のような選手交代5人制を強く訴えるのだろう。
ラ・リーガもセリエAもブンデスリーガも、基本的には世界中が5人制だ。しかし、プレミアリーグだけが3人制に戻している。
かつてブラックバーン・ローバーズ、チェルシーなどで活躍したクリス・サトンは、「もともと3人制だった。フットボール本来の姿であり、クロップとグアルディオラはクレーマーにすぎない。泣き言を言うな」と反論した。
アンドレス・タウンゼン(クリスタルパレス)の発言も感情的に聞こえる。
「われわれのような規模のチームを叩きのめしたいだけだろう。5人制になれば選手層の分厚いチームが有利だからな。リヴァプールとシティは自分勝手なんだよ」
また、アストンヴィラのディーン・スミス監督も穏やかな口調だったが、「ヨーロッパのコンペティションに出場しているチームには同情する。休む暇がないからね。でも、プレミアリーグ内の競争力を維持するためには5人制よりも3人制」と語っていた。
しかし、コロナ禍という非常事態はまだまだ続く。そんな世相を踏まえたうえで、再検討できないだろうか。タウンゼンが所属するクリスタルパレスも、現時点でタイリック・ミッチェル、ジョエル・ウォード、ジェイムズ・トムキンズ、コナー・ウィッカム、ウェイン・ヘネシー、ネイサン・ファーガソンが負傷に倒れている。サトンが現役だった当時は、現代ほどスケジュールがきつくない。
また、交代人数を増やせば、各クラブの若手にも試合出場のチャンスがめぐってくる。5人が多すぎるというのなら、4人でも構わない。プレミアリーグは5人、国内のカップ戦は3人という特別ルールもいいだろう。賛成派と反対派が歩み寄りさえすれば、解決できるのではないだろうか。
くどいようだが非常事態だ。選手の健康を守るためにも、1試合の交代人数は増やしたほうがいい。伝統とか本来の在り方に固執していると、負傷者続出のリスクが高まる。
3人から4人、5人へ……。交代枠の増員は、柔軟性をもって対処すべき重要な案件である。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【先行】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-2 FC東京U-18 vs. 鹿島アントラーズユース
11月30日 午前10:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝-1 オーストリア vs. 日本
11月21日 午後9:15〜
-
日本トリムPresents 第17回全国女子選抜フットサル大会 ~トリムカップ2025~ 決勝
11月30日 午後2:00〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 ラウンド16 北朝鮮 vs. 日本
11月18日 深夜12:00〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-1 流通経済大学付属柏高校 vs. 柏レイソルU-18
11月29日 午後1:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 決勝 ポルトガル vs. オーストリア
11月27日 深夜12:45〜
-
サッカーニュース Foot! 超高校サッカー通信 Presents 高円宮杯U-18プレミアリーグ 土屋雅史の深掘りレポート2025 #19
11月27日 午後9:30〜
-
【限定】ロングハイライト・高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第20節-3 神村学園高等部 vs. サガン鳥栖U-18
12月2日 午後8:00〜
J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!
