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サッカー フットサル コラム 2020年10月21日

リヴァプールが追い込まれた。ファンダイク欠場のダメージ特大

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ファンダイク

ゴール前で倒されるファンダイク

事件は10月17日のマージ―サイド・ダービーで勃発した。エヴァートンGKジョナサン・ピックフォードのタックルが、リヴァプールDFフィルジル・ファンダイクの右膝を襲った。

極めて無謀な一撃だったが、なぜか処罰の対象にならなかった。試合終了直前、エヴァートンのリシャーリソンが危険なタックルで一発レッドになっているのだから、ピックフォードにも同等の3試合出場停止、もしくはより重いペナルティが科されてしかるべきだ。

なぜリシャーリソンが罰され、ピックフォードが無罪なのか、レフェリー委員会は公に説明する義務がある。この組織の上層部でも、主審を務めたマイケル・オリヴァーでも、VAR担当のデイヴィッド・クートでも、だれでもいい。判定の基準を明らかにしなければならない。

また、VARを底意地の悪さしか感じられないオフサイドの判定ではなく、試合中のアクシデントにも適応できるよう、改善した方がいい。「さかのぼって処分を検討するのは、レフェリーやVAR本部が見ていなかったときに限る」とFAのルールに明記されているとはいえ、選手を守るためにも、危険すぎるプレーには再検証が絶対に必要だ。

さて、この一件でリヴァプールは大黒柱を失った。ファンダイクは右膝靭帯損傷により、長期の戦線離脱を余儀なくされた。リハビリが順調に進んでも、復帰は早くて4月下旬。シーズンの趨勢は決まっているに違いない。

したがって当分の間、ジョー・ゴメスとジョエル・マティプでまわすしかなく、MFファビーニョを一列下げるにしても、ファダイク欠場の不安を一掃できるとは思えない。若手のナイト・フィリップス、リース・ウィリアムズでは不安が過ぎる。

来年1月の市場で、「カリド・クリバリを獲得せよ」との声が上がるかもしれないが、彼が所属するナポリとの交渉は気が滅入るだけだ。会長のアウレリオ・デ・ラウレンティスは業界屈指のタフ・ネゴシエイターだ。リヴァプールの足もとをみて、非常識な額を吹っかけてくる。

パリ・サンジェルマンのマルキーニョスは機動力豊かで、現状ではベストの選択肢であるものの、所属先が手放すはずがない。レアル・マドリーのラファエル・バランヌも同様だ。

それならばシャルケのオザン・カバク、ライプツィヒのダヨ・ウパメカノ、ビジャレアルのパウ・トーレスなど、次世代のスター候補性にアプローチするだろうか。近ごろはCBが人材難のため、若手の移籍金が高騰している。リヴァプールの補強プランは堅実が基本だ。

ファンダイクの長期欠場は不測の事態であり、ユルゲン・クロップ監督は年間計画を完全に覆されてしまった。早急に書き換えなくてはならない。ただし、ファンダイクの代役など世界中を探しまわっても見つかるはずがなく、主要国の移籍市場が終了したいま、クロップ監督は現有勢力で闘うしかない。

シーズン開幕早々、リヴァプールが追い込まれた。ファンダイク不在のダメージは大きすぎる。連覇はもちろん、トップ4入りも簡単なミッションではない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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