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サッカー フットサル コラム 2020年9月25日

コンダクターとプレッシング・モンスター!リヴァプール増強

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ティアゴ・アルカンタラ

静観しているわけではなかった──。

チェルシーが大型補強を図ったことしの夏、リヴァプールの情報は途絶えていた。コスタス・ツィミカスの獲得は、アンドリュー・ロバートソンの負担を軽減するうえで正解だが、現有勢力に大きな刺激を与えるような人材ではない。

しかし9月中旬、バイエルン・ミュンヘンからティアゴ・アルカンタラ、ウォルヴァーハンプトンからジョッタを補強。ユルゲン・クロップ監督が求めていた中盤とウイングに、即戦力の実力者2名を増員したのである。

ティアゴはアーティスティックなコンダクターで、リヴァプールが誇るフロント3をどのように操るのか。期待は特大だ。後半から出場した2節のチェルシー戦でも、75本ものパスコンプリート。45分間の成功数ではプレミアリーグ新記録だ。

また、ジョタの献身的な姿勢はだれもが認めるところであり、守備の強度ではモハメド・サラーを上まわる。コーチのリップ・ベンダースも、「プレッシング・モンスター」と評していた。その特徴を踏まえると、リヴァプールのスタイルに馴染むまで時間はかからないだろう。

前線右からジョッタ、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、中盤の左インサイドにジョルジニオ・ワイナルドゥム、右はジョーダン・ヘンダーソン、アンカーにファビーニョという布陣は、カウンターの芽を徹底的に摘み取るに違いない。

やはり、リヴァプールの強化部門は機能していた。交渉に当たるのは、スポーツディレクターのマイケル・エドワーズである。クロップ監督の懐刀ともいわれ、ティアゴとジョッタの獲得でも迅速、かつ効果的に動いた。

2016年11月、現職に就任したエドワーズは、フィルジル・ファンダイク、アレックス・オクスレイド=チェンバレン、サラー、ロバートソン、アリソン、ファビーニョなど、現在の主力となるタレントの獲得に尽力した。携帯電話を片時も離さず、世界中から届く情報を吟味しながら、身になる内容だけをクロップ監督に報告したという。

補強が遅れているマンチェスター・ユナイテッドは、エドワーズのような敏腕ディレクターを即座に雇用すべきだ。ジェイドン・サンチョ(ドルトムント)ではない。

ティアゴとジョッタの獲得により、リヴァプールは幾通りものローテーションが可能になった。チェルシー戦を欠場したジョー・ゴメスは軽傷で10月初旬に、筋肉系の故障が伝えられたジョエル・マティプも、「10月のインターナショナル・ウイーク明けには戻れるだろう」(クロップ監督)

さて、次節はアーセナル戦だ。開幕戦は華やかに、2節は泥臭い勝利を収めて勢いに乗りつつある相手とはいえ、地力の差は明白だ。決して緩めず、いつものように振る舞いさえすれば、リヴァプールは勝利の道がおのずと開けてくる。

そしてティアゴとジョッタはそろってスターターか、それともベンチで牙を磨くのか。クロップ監督の人選も、注目ポイントである。情熱あふれる指揮官が、アーセナル戦を静観するはずがない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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