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バルセロナのバルトロメウ会長
バルセロナの会長ともあろう者が、あまりにも配慮を欠いていた。
「リオネル・メッシは世界最高の選手だ。売却対象ではない」
「マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン、ネウソン・セメド、フレンキー・デヨング、クレマン・ラングレ、ウスマヌ・デンベレ、アントワーヌ・グリーズマンも同様だ」
バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトロメウ会長が、絶対確保の7選手を『バルサTV』で明かした。
なんだと!? 気色ばんだ選手、エージェントを少なくないだろう。名前があがらなかった者が、「構想外ってことか」と受け取っても不思議ではない内容だ。チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン戦で、2-8というショックが大きすぎる敗北を喫した。ほんの少しでも気持ちを整理したかった選手、サポーターの心の傷に、塩を塗りたくるような発言である。
ジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケッツ、アルトゥーロ・ビダル、イバン・ラキティッチ、さらにルイス・スアレスまでが、バルトロメウのリストから外れていた。バイエルンに敗れた直後、「変わらなくてはならない。クラブのためになるのなら、私が出ていっても構わない」と語っていたピケも、会長に軽視されたと分かれば重大な決断を下すかもしれない。
なにしろ、公式TVで会長が発言したのだ。クラブの公式声明と世間は考える。「望まれていないのだからやむをえない」と、色よいオファーに耳を傾ける者も出てくるだろう。バルトロメウに除外された選手はすべて30代だが、まだまだトップランカーだ。左サイドバックを欲しているマンチェスター・シティとチェルシーが、アルバとコンタクトを図る可能性もないとはいえない。
また、新監督はロナルド・クーマンである。水曜日のコラムでもお伝えしたように、頑固者でトラブルメーカーだ。監督としての成功例は少なく、プレミアリーグのエヴァートンでも初年度こそ7位とまずまずのポジションに導いたが、2シーズン目は200億円近くの大型投資にもかかわらず、開幕から2勝2分5敗。わずか9試合で監督の座を追われている。
これまでに9つのクラブを率いながら解任4回、平均在任期間が18か月である事実も、バルセロニスタにすれば気がかりだ。
ヨハン・クライフのイズムを、バルセロナのDNAを理解しているはずのクーマンだが、その手腕には大きな疑問符がついてまわる。変革期のバルセロナを復活に導けるのだろうか。
そしてバルトロメウに軽視された7人の実力者たちは、このまま残留するのだろうか。プライドは、いたく傷ついているに違いない。
クーマンの招聘といい、7選手の功績を無視するような発言といい、バルトロメウはバルセロナに混乱を招くばかりだ。地元ラジオ局の『RAC1』は、メッシが「退団の意向を明らかにした」と伝えている。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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