ポグバを先発で！？　スールシャール監督はどうかしている

トッテナム対マンチェスター・ユナイテッド戦に大きな問題が浮上した──。

残念ながら、ジョナサン・モスが裁く予定だ。はるか彼方からイエローカードを提示し、さらに遠く離れたところから2枚目を、というシーンを何度も目撃してきた。毅然とした態度でミスジャッジを繰り返す、制御不能の迷レフェリー。しかも腰まわりがつねに太く、動きが鈍い。およそ3か月間の中断でより丸くなっていたら、プレミアリーグの審判評議会はシビアな態度で臨むべきだ。

さて、トッテナムには3人の主力が戻ってくる。負傷で欠場を余儀なくされたハリー・ケイン、ムサ・シソコ、ソン・フンミンが、ユナイテッド戦のスカッドに含まれることは濃厚だ。ケインとソンの復帰によって攻撃力が増大し、シソコによって中盤に秩序がもたらされるだろう。ジョゼ・モウリーニョ監督も満足そうにコメントしていた。

「彼らは完璧なフィットネスを取り戻しつつある」

SNSにアジア人蔑視の動画を投稿してFAから1試合の出場停止処分を科されたデレ・アリ、背中を疲労骨折したジャフェト・タンガンガを除き、トッテナムはフルスカッドに近い陣容が整える公算が非常に大きくなってきた。3月のバーンリー戦で足首を捻ったステフェン・ベルフワインも間に合うという。

一方、ユナイテッドにも故障者はいない。1月に腰部の疲労骨折が発覚し、戦列を離れていたマーカス・ラシュフォードもカムバックする予定だ。しかし、オーレ・グンナー・スールシャール監督の発言は聞き捨てならない。

「ポール・ポグバをナンバー10のポジションで」

なにをいまさら、である。潜在能力は認めるものの、彼の心はユナイテッドにない。エージェントを務めるミーノ・ライオラの操り人形と化し、市場が開くたびに移籍を企ててきた。

1か月強で9試合をこなすハードスケジュールなのだから、使える駒は一枚でも多い方がいいとはいえ、気分屋が過ぎるポグバに、ハードワークを嫌う男にナンバー10のポジションを与えるなんて、スールシャール監督はどうかしている。

また、「ブルーノ・フェルナンデスとポグバはタイプが似通っている。同時起用はそれぞれの個性を相殺しかねない」とレジェンドのライアン・ギグスが語ったように、スールシャール監督の推しメンはせっかくのリズムを破壊する危険がある。

B・フェルナンデス、フレッジ、スコット・マクトミネイの好連携により、ユナイテッドは上昇機運をつかもうとしていた。新型コロナウイルスの感染拡大によって、チームそのものがフラットな状態に戻ったものの、中盤の構成を変えるべきではない。もしポグバを使いたいのなら、なりふり構わずに攻めるときだけでいい。

しかし、ユナイテッドの公式サイトは次のように伝えていた。

「ポグバ、先発濃厚」

文：粕谷秀樹