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サッカー フットサル コラム 2020年6月3日

次々とアーセナルを去っていった男たち。そして今夏も……

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ファン・ペルシー

今回のマイベストシリーズはひねくれてみた。「せつない理由でアーセナルを去ったベスト11」だ。ちなみにせつない理由とは、このクラブは野心に欠けるとか、給与面の不満とか、上層部とそりが合わないとか、気持ちは分かるけれどアーセナルLOVEはなくなったんかい、というファジーといえばファジーな……。

◆GK
ヴォイチェフ・シュチェスニー(09-17/現ユベントス)
◆DF
バカリ・サニャ(07-14/現モントリオール・インパクト)
パトリック・ヴィエラ※(96-05)
ロラン・コシェルニ(10-19/現ボルドー)
アシュリー・コール※(98-06)
◆MF
アーロン・ラムジー(08-19/現ユベントス)
セスク・ファブレガス(03-11/現ASモナコ)
サミル・ナスリ(08-11/現アンデルレヒト)
◆FW
アレクシス・サンチェス(14-18/現インテル・ミラノ)
エマニュエル・アデバヨール(06-09/現オリンピア・アスンシオン)
ロビン・ファンペルシ※(04-12)

(※は現役を退いている者。カッコ内の数字は所属したシーズン。陣形は4-3-3)

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ロッカールームでの喫煙が発覚して定位置を剥奪されたシュチェスニーはともかく、嗚呼もったいない。エミレーツスタジアムの建設費用を低く抑えられていたら、アルセーヌ・ヴェンゲルが〈マネードーピング〉を嫌わなければ、彼らはもっともっと長くアーセナルに貢献できただろう。

ナスリとクリシ、サニャがマンチェスター・シティへ、ファンペルシとサンチェスはマンチェスター・ユナイテッドに新天地を求めるなど、ライバルへの移籍も少なくない。サポーターの感情が怒りと悲しみが渦を巻く。

彼らの才能に気づき、花開かせたヴェンゲルの慧眼は尊敬に値するものの、もう少しうまく立ちまわってほしかった。とくに中盤と前線は、少なくともプレミアリーグを制覇するだけの陣容は整っていた。

さて、この夏のアーセナルも補強に関してはネガティブなニュースが先行している。ピエール=エメリク・オーバメヤンはバルセロナ移籍を目論み、アレクサンデル・ラカゼットとエクトル・ベジェリンも退団を希望しているという。また、補強費がほとんどなく、夏の市場はフリートランスファーを軸にせざるをえない、との情報まで漏れ伝わってきた。

リクルート部門の責任者を務めるラウール・サンジェイは、バルセロナ在籍時に築いた豊富な人脈に基づき、アーセナルに多大な効果をもたらすといわれていた。しかし、補強の人選が特定のエージェントに限られ、これといった成果をあげていない。

ダビド・ルイスとは1年間の契約延長で合意に至ったようだが、メスト・エジル、ショコドラン・ムスタフィ、ソクラテス・パパスタスプーロスなど、来年6月で契約が切れる選手たちをどのように扱うのか。具体策はまったく聞こえてこない。

新型コロナウイルスの感染拡大により、今夏の移籍市場は各クラブとも控えめに動くが、必要最低限の額は投資する。その動きをみて、アーセナル・サポーターの感情はまたしても怒りと悲しみが渦を巻く。コペルニクス的転回(訳注参照)を待つしかないのか。

【訳注】コペルニクス的転回:見方や考え方などが根本的に変わることの比喩

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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