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サッカー フットサル コラム 2020年5月29日

モウリーニョに感謝する日が、きっといつかやって来る

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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今回のマイベストシリーズは、少しだけ工夫を凝らしてみた。題して〈ジョゼ・モウリーニョのお気に入り〉。2004-05シーズンのチェルシー監督就任以降、彼の体制下にあったクラブが獲得したタレントのなかから、選りすぐりの11人をピックアップしてみた。

なお、チェルシーのジョン・テリーやフランク・ランパード、インテル・ミラノのハビエル・サネッティ、レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスなど、モウリーニョが着任する以前からそのクラブに所属していた者は対象外とした。

◆GK
ペトル・ツェフ(チェルシー)
◆DF
パウロ・フェレイラ(チェルシー)
リカルド・カルヴァーリョ(チェルシー)
ラファエル・ヴァラン(※R・マドリー)
アシュリー・コール(チェルシー)
◆MF
マイケル・エッシェン(※チェルシー)
チアゴ・モッタ(インテル)
ウィリアン(※チェルシー)
ウェズレイ・スナイデル(インテル)
アリエン・ロッベン(チェルシー)
◆FW
ディディエ・ドログバ(チェルシー)

(※=現役。陣形は4-2-3-1)

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いやはやアクが強い。フィールドプレーヤーはヒールを演じることを厭わないタイプばかりだ。しかも、その役割はチームファーストと理解できている。また、彼らの多くがいまだにモウリーニョをリスペクトし、スナイデルやドログバはつねづね語ってきた。

「いまの自分があるのはモウリーニョ監督のおかげ」

さて、強靭、安心の中盤になったなと、我ながら感心している。エッシェンとT・モッタを守備的に配置し、攻→守の切替スウィッチに若干の誤差が生じるロッベン、あるいはスナイデルの背後をカバーする。P・フェレイラとA・コールの両サイドバックも高い位置をとれるため、ウィリアンを含めた二列目はボールロスト後の被カウンターを恐れず、より攻撃に重点を置けるだろう。

そして最終ラインでは、状況判断にすぐれたR・カルヴァ―リョがヴァランを自在に動かす。GKは安定感抜群のツェフだ。このメンバーなら、チャンピオンズリーグ優勝も夢ではない。

しかし、モウリーニョ体制下のマンチェスター・ユナイテッドからはひとりも選べなかった。ズラタン・イブラヒモヴィッチ(現ACミラン)とネマニャ・マティッチ全盛期を過ぎており、ポール・ポグバは文句だらけの〈かまってチャン〉。ヘンリク・ムヒタリアン(現ASローマ)とアレクシス・サンチェス(現インテル)もまったくといっていいほど貢献できず、みずからの不振をクラブの在り方に責任転嫁している(一理あるが……)。

彼らがもう少しだけ働いていてくれたら、いや、言うまい言うまい。男の愚痴は醜悪だ。しかもモウリーニョには、スコット・マクトミネーに目をかけてくれた恩がある。マーカス・ラシュフォードの才能を信じていた。ケガばかりしているエリック・バイリーだって、DFとしての才能に疑いの余地はない。

モウリーニョに感謝する日が、きっといつかやって来る。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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