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サッカー フットサル コラム 2020年4月24日

2億ユーロを動かしづらい実状。エンバッペはパリSG残留か

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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キリアン・エンバッペ

アーセナルで一世を風靡し、現在はASモナコで活躍するセスク・ファブレガスが、スペインのラジオ局『Cadena Cope』のインタビューに応じた。

「いまは自宅のベランダで、自転車やランニングマシンを使いながらコンディションを調整している。フランスのロックダウンはまだ続くけれど、延長されるのか短縮されるのか、クラブと国がどのように対応するのか、待っているところだ」

現状を説明した後、「近い将来、セスク“監督”が真っ先に獲得する選手は?」という仮定の質問に対しては、次のように答えている。

「クリスチャーノ・ロナウドは35歳、リオネル・メッシも33歳になる。年齢、野心、才能なども含め、キリアン・エンバッペと契約するよ」

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新時代のキーマンは、やはりエンバッペなのだろう。まだ21歳。所属するパリ・サンジェルマンを今シーズン限りで退団し、来シーズンからレアル・マドリーでプレーする? マンチェスター・シティが覇権奪還の切り札としてリストアップした? さまざまな憶測が飛び交っているように、前途洋々の若者であることに疑いの余地はない。リーグアンよりレヴェルが高いラ・リーガ、プレミアリーグで、そのパフォーマンスを楽しみたいところだ。

しかし、パリSGが放出するとは思えない。ネイマールのバルセロナ復帰が現実味を帯びてきた。エディンソン・カバーニの退団も避けられない。ユルリアン・ドラクスラーは高すぎる年俸がネックになり、放出濃厚だ。こうした状況下でエンバッペまで出て行ったら、パリSGのサポーターは怒り心頭に発する。

また、コロナ禍で経済が疲弊し、移籍市場で巨額を動かしづらくなっている実状も、エンバッペの移籍にブレーキをかける一因だ。本来であれば彼の市場価格は2億ユーロ(約234億円)だが、コロナ禍で1億6000万ユーロ(約187億2000万円)にまで下落しているという。いや、このご時世に2億ユーロ前後の巨額を動かすと、世界中のヒンシュクを買うことになりかねない。

そしてマンチェスターの両巨頭やチェルシー、マドリー、バルセロナ、バイエルンといった経済的エリートですら、この夏は買い控える公算が非常に大きくなりつつある。各リーグの中断によって減収が避けられず、例年どおりの補強プランはクラブの財政にさらなるダメージをもたらすからだ。

なおかつ人件費の削減も、各クラブが抱える難題のひとつである。ドラクスラー(前出)だけでなく、高額年俸の選手はカットの対象になっても不思議ではない。なかでもキャリアの終焉が近づいている者は、苦しい立場に追い込まれるだろう。

「デビューした瞬間から、どうやってキャリアを終えるかつねに考えていた」

セスクがみずからのフットボール人生を振り返る。しかし、新型コロナウイルスで世界が激変するとは、だれひとりとして考えていなかった。いまは一人ひとりが冷静に、誠実になり、未曽有の難局を乗り超えなくてはならない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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