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サッカー フットサル コラム 2020年4月15日

ルーニーを語らずしてユナイテッドを語ることなかれ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ルーニー

今回は一部で好評らしいマイベスト・シリーズ第三弾。「貢献度で選ぶマンチェスター・ユナイテッド最強チーム/ただしサー・アレックス・ファーガソン退任以降」だ。長ったらしいタイトルだが、要するに暗中模索の7年を支えたのはだれだったのか、という趣旨である。

それにしても人選はイージーだった。なにしろ、基準が貢献度である。満足に働いていない選手の方が圧倒的多い。例えばバスティアン・シュバインシュタイガー、メンフィス・デパイ……。嗚呼、気が遠くなる。

J SPORTS 放送情報

◆GK
ダビド・デヘア
◆DF
アントニオ・バレンシア
クリス・スモーリング
ジョニー・エヴァンズ
アシュリー・ヤング
◆MF
アンデル・エレーラ
マイケル・キャリック
ファン・マタ
ウェイン・ルーニー
◆FW
マーカス・ラシュフォード
ズラタン・イブラヒモヴィッチ


A・ヤングを挙げなければいけない事実が切なすぎる。本来だったら左サイドバックはルーク・ショーだ。今シーズン、ついに復活の糸口をつかんだ(もっとできるはず)とはいえ、サウサンプトンから移籍して5年、ケガとの戦いに明け暮れた。やはり、PSVのエクトル・モレノに見舞われた悪質極まりないタックルが、大きなダメージを招いたのだろう。

さて、エレーラには感謝するしかない。なにが起きてもポジティブなメッセージをSNSで発信し、サポーターを勇気づけていた。豊富な運動量でピッチ上を縦横無尽に駆けまわり、怠慢なプレーは許さなかった。デヘア、マタと並ぶ、〈スペインからやって来た三大守護聖人〉のひとりである。

エレーラ同様、ズラタンもよく闘った。選手としてのピークは過ぎていたものの、彼ならではの存在感で貢献した。この男がドレッシングルームに、キャリントンのトレーニングセンターに現れただけで、若手の背筋がピシッと伸びたという。いわゆる畏怖だ。組織を造るうえで絶対に必要な緊張感を、ズラタンはまとっていた。

そして、ルーニー……。

ユナイテッドを買収する際にグレイザー・ファミリーが莫大な借財をせず、強化担当のエドワード・ウッドワードがまともで、サー・アレックス退任後にデイビッド・モイーズのようなスットコドッコイを監督に据えていなかったら、ルーニーはより素敵なフットボールライフを過ごしていたに違いない。

ビッグスターを獲得できず、有能なタレントが退団し、それまでのユナイテッドを支えてきた名手たちは次々にユニフォームを脱いだ。こうして弱体したチームのすべてを背負わされたのだから、ルーニーもたまったものではない。

しかしウイングで、中盤センターで、彼はできるだけのことはやってきた。通算253ゴールはユナイテッド最多であり、今後二度と破られないはずの大記録である。

ルーニーを語らずしてユナイテッドを語ることなかれ──。この男は、歴史に名手のひとりだ。

【筆者注】中盤はダイヤモンド型。右インサイドがエレーラ、左がマタ、アンカーにキャリック。ルーニーは2トップの背後に配置する。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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