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中止、中断など、世のなか暗いニュースばかりだ。ワイドショーは不安を煽るばかりで、新型コロナウイルスから立ち直ろうとしている方々、医療機関の奮闘に関してはほとんど報じない。
そんな折だから、せめて自分が連載するコラムだけは、事態が落ち着くまで明るく攻めなくちゃ。というわけで、不定期ながら「マイベストシリーズ」を始めよう。
栄えある第一回は「俺のイングランド代表」。対象は1970年代以降にピークを迎えた選手。ちなみにベストイレブンの選出にジェネレーションギャップは付きものだ。感性は各世代で大きく異なる。
★GK
レイ・クレメンス
★DF
トレント=アレクサンダー・アーノルド、リオ・ファーディナンド、ジョン・テリー、アシュリー・コール
★MF
デイビッド・ベッカム、レドリー・キング、スティーヴン・ジェラード、ポール・スコールズ
★FW
ウェイン・ルーニー、ハリー・ケイン
「右サイドバックは考え直せ」「フランク・ランパードを外すとはけしからん」。異論・反論が聞こえてくる。若い世代の皆さんは「クレメンスってだれ?」だろう。しかし、くどいようだがマイベスト。あくまでも筆者が最も優れていると考える選手を選んでみた。クレメンスの安定感はピカイチで、シュートストップの技術でもジョー・ハート、ジョナサン・ピックフォードなど、近年のGKをはるかに上まわっていた。
また、アレクサンダー・アーノルドはイングランド史上最高の右サイドバックだ。豊富な運動量でアップダウンを繰り返し、アシストのレヴェルも秀逸だ。すでに歴代の名手たちを凌駕している。
そして、なぜランパードを外したか──。
中盤はダイヤモンド型。右にベッカム、左がジェラード。2CBの前にキングが位置し、スコールズは2トップの背後だ。ベッカムは外せない。ケガさえしなければ、キングはアンカーとして、あるいはCBとしてワールドクラスと呼ばれていたに違いない。スコールズのセンスはバルセロナの全盛期を支えたチャビ・エルナンデス、アンドレ・イニエスタが憧れたほどだ。
もちろん、ランパードの実力は認める。MFでありながら、チェルシーで通算221ゴールという決定力はさすがというしかない。ただ、クロスの精度、守備力、展開力、ラストパスのクオリティーなどを踏まえた結果、泣く泣く落選となった。ランパードファンの皆さん、申し訳ござらぬ。
基本パターンはベッカム、アレクサンダー・アーノルドのクロスをケインが狙う。もしくは彼が落としたところをルーニーがつき、スコールズとジェラードは必殺ミドル。結構イケてるぞ、このチーム。ちなみに控えの8名は──。
◆GK:ピーター・シルトン◆DF―◆MF:ランパード、ジェームズ・ミルナー、オーウェン・ハーグリーヴス、マイケル・キャリック◆FW:マイケル・オーウェン、アラン・シアラー、ガリー・リネカー
DF薄っ! ハーグリーヴズとキャリック、ミルナーに頼むか。いざとなったらルーニーだな。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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