人気ランキング
コラム一覧
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界のリズムが狂ってしまった。数多くのイベントが延期、もしくは中止となり、開催されたとしても無観客。大相撲春場所やプロ野球のオープン戦は、不気味なほど静かだ。
フットボールの世界もスケジュールや手順の変更を余儀なくされている。3月10日のチャンピオンズリーグ・ラウンド16第二戦、ライプツィヒ対トッテナム戦では試合前の握手が禁止となった。11日のパリ・サンジェルマン対ドルトムント戦は無観客で開催する。
また、Jリーグの再開は4月3日に設定された。新型コロナウイルスの感染が下降線を描いていないのだから当然だ。この間、各クラブのサポーターはSNSを通じ、独特の感性で楽しんでいらっしゃる。文字を駆使してスタジアムに足を運んだ気分に浸ったり、『天使にラブソングを』の画面に各クラブの実状を表現するシニカルなテロップを合わせたり、非日常に屈しない姿勢は素晴らしい。
さて、プレミアリーグも3月11日開催予定だったアーセナル対マンチェスター・シティ戦が延期された。2月27日、ヨーロッパリーグ・ラウンド32でアーセナルと対戦したオリンピアコスのオーナー、エヴァンジェロ・マリナキス氏が新型コロナウイルスに感染していたための措置である。アーセナルの選手のなかには、マリナキス氏とあいさつを交わした者もいるという。念には念を入れなくてはならない。なお、オリンピアコスは3月12日、ELラウンド16・第一戦でホームにウォルヴァーハンプトンを迎え撃つが、無観客試合がすでに決定している。
さらに多くのクラブがファンサービスを取り止め、トレーニンググラウンドの敷地内を全面立ち入り禁止とするなど、見えない敵との戦いに懸命だ。インテル・ミラノのスティーヴン・チャン会長に至っては、イタリア・ダービーを無観客ながら決行したリーグ側を「ピエロ」とまでこきおろし、選手の健康管理を訴えるほどだ。
イタリアは4月3日まで、ありとあらゆるスポーツイベントが中止になった。フランスやスペイン、ドイツでも感染者が増えているため、各国のフットボールリーグだけではなく、CLやELにも影響を及ぼすだろう。英国政府が「今週末の試合は無観客で」と各クラブに要請した、とも伝えられている。
観戦を拡大させないためには無観客、もしくは中止・延期という選択肢しかない。その一方で入場料収入が途絶え、財政が逼迫するクラブも出てくる。試合を安全に開催し、クラブが生き残るための財源を確保するプランは、どこかにあるのだろうか。一日も早く、スタジアムに歓声が戻ることを──。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【限定】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ2025 プレーオフ RB大宮アルディージャU18 vs. ジュビロ磐田U-18/米子北高校 vs. アルビレックス新潟U-18
12月14日 午前10:50〜
-
【限定】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ2025 プレーオフ 東山高校 vs. 尚志高校/愛媛FC U-18 vs. ベガルタ仙台ユース
12月14日 午前10:50〜
-
サッカーニュース Foot! 超高校サッカー通信 Presents 高円宮杯U-18プレミアリーグ 土屋雅史の深掘りレポート2025 #21
12月11日 午後10:45〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第21節-2 ヴィッセル神戸U-18 vs. サガン鳥栖U-18
12月7日 午後12:50〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第21節-1 鹿島アントラーズユース vs. 青森山田高校
12月6日 午前10:50〜
-
【限定】ロングハイライト・高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第22節-3 神村学園高等部 vs. ファジアーノ岡山U-18
12月16日 午後8:00〜
J SPORTSで
サッカー&フットサルを応援しよう!
