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マンチェスター・シティが25節終了時点で6つも負けるなんて、予想していなかった。リヴァプールを懸命に追走し、背中は捉えられないまでも冷や汗ぐらいはかかせるだろうと考えていたが、22ポイントもの大差をつけられてしまった。
たしかに、今シーズンのリヴァプールは強い。25戦24勝1分無敗。リーグ最少の15失点、クリーンシート11試合はリーグ最多。守備陣の安定がうかがい知れる驚異のデータだ。トレント=アレクサンダー・アーノルドは早々と10アシストをマークし、自身が持つDF最多記録の12を更新する勢いだ。彼のFKからフィルジル・ファンダイクが4発! マジ、強すぎる。
とはいえ、あのシティが22ポイントも引き離されるとは……。ヴァンサン・コンパニがアンデルレヒトに移籍した。膝を負傷したエメリック・ラポルトは長期の戦線離脱を余儀なくされた。ジョン・ストーンズはマッチフィットネスをなかなか取り戻せず、左サイドバックは質が低い。やはりDF陣の弱体が痛かった。
もちろん、ジョゼップ・グアルディオラ監督も強化するつもりだったが、今夏に予定されている大きな動きが影響し、今シーズンのバージョンアップは上層部からストップがかかったという。昨シーズンの同時期は失点20。今シーズンは29。データも正直だ。ウォルヴァーハンプトンに2-3、0-2のダブルを食らったり、ノリッジにも2-3の苦杯を舐めたり、前節はハリー・ケイン不在のトッテナムに0-2の完封負け。リヴァプールとのマッチレースを演じられないまま、3連覇は絶望的となった。グアルディオラ監督も「もう追いつけない」と白旗を掲げている。
しかし、今シーズンはまだ終わっていない。チャンピオンズリーグ、FAカップ、リーグカップ、そう〈カップトレブル〉のチャンスが残っている。リーグカップは決勝の相手はアストンヴィラ。戴冠の可能性は非常に高い。シティの実力を踏まえると、FAカップも有力な優勝候補だ。
そしてシティの悲願ともいうべきチャンピオンズリーグは、ラウンド16でレアル・マドリーと対戦する。強敵ではある。できるものなら避けたかった。ただ、マドリーを破れば勢いがつく。プレミアリーグにおける失速は悔しいものの、チャンピオンズリーグに主力を投入できるメリットを産んだ。怪我の功名と前向きに捉えよう。
幸いにもラポルトが復帰した。DFラインは安定する。プレシーズンマッチで膝を負傷し、半年以上にわたって戦列を離れているレロイ・ザネも、マドリーとの第二戦(3月17日/第一戦は2月26日)に間に合う公算が大きくなってきた。攻撃力も増強される。
シティはこのままおめおめと引き下がるようなクラブではないはずだ。あらゆる試合で対戦相手を上まわるパフォーマンスを見せているのだから、あとは心の問題だ。チャンピオンズリーグは、シティのモチベーションを刺激するには十分すぎるほどの獲物である。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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