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インテル・ミラノのアントニオ・コンテ監督は、プレミアリーグがお好きのようだ。
昨年夏にマンチェスター・ユナイテッドからロメル・ルカクとアレクシス・サンチェスを、さらに冬の市場でアシュリー・ヤングを補強し、トッテナムからクリスティアン・エリクセン、古巣チェルシーからフェネルバフチェにローン移籍していたヴィクター・モーゼズをも手に入れた。そういえば、チェルシーのオリヴィエ・ジルーにもちょっかいを出していた。
一年前に比べると、冬の市場はそこそこ動いている。リヴァプールがザルツブルクから南野拓実を獲得し、南野の同僚だったアーリング・ハーランはドルトムントに新天地を求めている。
また、すったもんだした挙句、一時は破談を伝えられながらも、マンチェスター・ユナイテッドはブルーノ・フェルナンデスとの交渉が成立した。スポルティングに支払った移籍金は、ボーナスを含めて8000万ユーロ(約96億円)のビッグビジネスだ。ポール・ポグバに代わる指令塔なのか、もしくはフランス代表MFと併用するのか。オーレ・グンナー・スールシャールが監督としての限界をさらしまくっているだけに、少なからず不安ではある。
さて、バルセロナがエヴァートンのリシャーリソンに興味を示し、8500万ポンド(約120億円)ものオファーを届けた。しかし、マージーサイドの古豪は断固として拒否している。リシャーリソンは攻撃陣のエースであり、巻き返しを図るエヴァートンには必要不可欠な存在だ。しかも、カネにはそれほど困っていない。この交渉が成立する公算は低いとみた。
そしてバルセロナは、アーセナルのピエール=エメリク・オーバメヤンにも接触を図っていた。ルイス・スアレスの体調がすぐれず、アントワーヌ・グリーズマンもなかなかフィットできないため、前線のテコ入れに躍起となっている。ただ、リシャーリソン同様、こちらの交渉も進展する見込みは薄い。オーバメヤンは新プロジェクトの中心人物であり、ミケル・アルテタ監督も手放すつもりは毛頭ないからだ。
ただ、アーセナルはセンターバックを整理すべきだろう。フラメンゴからパブロ・マリをローンで獲得したことにより、飽和状態を招いてしまった。ダビド・ルイス、ソクラティス・パパスタスプロス、スコドラン・ムスタフィ、コンスタンティノス・マブロパノス、ロブ・ホールディング、カラム・チェンバーズと7名を擁し、今夏にはウィリアム・サリバがサンテチェンヌからローンバックしてくる。
出場機会に恵まれない選手は不満分子に姿を変えるケースが多いため、少なくともひとりかふたり、冬の間に放出した方がいい。ミスが減らないムスタフィが最有力か。もっとも、買い手が見つかれば、の話である。今シーズンのパフォーマンスを踏まえると、だれも手を挙げないだろう。
新戦力の獲得とともに、余剰戦力の整理も大きなテーマだ。冬の市場は現地時間1月31日に幕を閉じる。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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